※会期終了 ★★最速会場レポ「ムンク展―共鳴する魂の叫び」(東京都美術館)

2018年10月26日

投稿:M3PRESS編集部

会場入口 報道内覧会にて編集部撮影

※会期終了にともない画像の表示を終了しています。

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「ムンク展―共鳴する魂の叫び」東京都美術館で開催

東京都美術館で「ムンク展―共鳴する魂の叫び」が2018年10月27日(土)より開催されています。編集部では先だって行われた報道内覧会を取材して来ました。

  • 2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
  • 東京都美術館 企画展示室
  • 展覧会公式HP https://munch2018.jp
  • 問い合わせ先 03-5777-8600(ハローダイヤル)

会場レポート

オスロ市立ムンク美術館の協力のもと、有名な《叫び》をはじめ、油彩約60点、版画その他約40点の、約100点もの多彩なムンク作品が東京に集結する大回顧展で、全体は9章から構成。初期から晩年までの作品を紹介しつつ、章立て自体はテーマごとに設定されていました。

ムンクは自画像を数多く描いた画家としても知られており、冒頭の第一章「ムンクとは誰か」では複数の自画像、セルフポートレートが紹介されています。

非常に多くの報道陣が!

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《叫び》の展示されているセクション
報道内覧会にて編集部撮影

全体的にゆったりと見られるようなレイアウトが採用されており、《叫び》の展示されているセクションも、かなり広い展示スペースなのですが、報道陣がびっしり。注目の高さがよくわかります。相当な混雑が予想されそうです。

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展示のようす。画面中央は エドヴァルド・ムンク《叫び》1910年?
報道内覧会にて編集部撮影

「叫び」は絵画としては4点現存しており、出品されているものは後年に描かれたもので、今回、初来日。厚紙にテンペラと油彩による技法で描かれており、保存の関係からオスロ市立ムンク美術館でも常に展示しているものではないということで、今回見られるのは大変貴重な機会といえます。

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展示のようす 画面手前は エドヴァルド・ムンク《石版・マドンナ、吸血鬼Ⅱ》1895年/1902年
報道内覧会にて編集部撮影

人間の内面を描き続けた画家、ムンク。その原点といえる初期作品での「病める子」というテーマでの、リトグラフの繊細な表現。繰り返し描かれた「マドンナ」「接吻」「吸血鬼」といったテーマに対する様々な技法のバリエーションや、後年の作品の明るい色彩を用いた故郷の風景など、非常に充実した展示内容で見応えがある展覧会です。

「絵画を通じて生きることを問い続けた画家ムンクの新たな魅力を展覧会を通して是非発見してください。」(東京都美術館 学芸員 小林 明子氏 、報道内覧会でのギャラリートークより)

フォトスポット

会場内は撮影禁止ですが、出口にフォトスポットがあります。※なお記事中の展示会場内の写真は報道内覧会にて特別に許可を得て撮影しております。

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出口のフォトスポット
編集部撮影

え!?ピカチュウが?展覧会関連グッズも充実!

「叫び」がポケモンカードゲームとコラボ!会場限定の「叫びピカチュウぬいぐるみ」(1,400円)をはじめ、限定コラボグッズが登場。

※グッズは数量限定のため、売り切れの場合があります。

他にもこんなに!

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展覧会みどころまとめ

展示数約100点、100%ムンク作品の展覧会

展示はオスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、約60点の油彩画に版画などを加えた約100点。《叫び》をはじめ、人間の感情を生々しく描き出した代表作、迫力の風景画や等身大の肖像画、美しい版画に至るまで、多彩なムンク作品が東京に集結する100%ムンク作品の展覧会です。

テンペラ・油彩画の《叫び》(1910年?)が初来日

ムンクは、その画業において、「吸血鬼」、「マドンナ」、「接吻」をはじめとするモティーフを、素材や技法を変えながら繰り返し描きました。世界一有名な絵画というべき「叫び」も、じつは複数点描かれています。

世界中の誰もが知るムンクの代表作「叫び」は、版画以外に4点の作品が現存し、そのなかでも、本展に出品される、オスロ市立ムンク美術館が所蔵するテンペラ・油彩画の《叫び》は待望の初来日です。

手で両耳を塞ぎ、口を大きく開いて道に立ち尽くす中央の人物と、オスロ・フィヨルドの上に広がる鮮烈な日没。人間が内面に抱える不安や孤独などの感情が周囲の自然と共鳴しているかのようです。

画家の全容を紹介する大回顧展

本展では、巨匠・ムンクの愛と葛藤の人生を辿りながら、青年期に描いた家族や友人の肖像画、「接吻」や「吸血鬼」など画家が繰り返し取り組んだモティーフ、鮮やかな色彩が輝く晩年の風景画など、その60年に及ぶ画業が主題ごとに分かりやすく構成されます。

「ムンク展―共鳴する魂の叫び」10月27日より東京都美術館にて開催

展示は全9章より構成されています。

第1章 ムンクとは誰か?

ムンクは、家族の死を経て画家を目指した青年期から、第二次世界大戦の戦禍のなかひとり生涯を終える直前まで、数多くの自画像を残しました。人生に暗い影が落ちるなかにあっても強い自尊心を感じさせる《地獄の自画像》や、飄々とした姿の老齢の自撮り写真 ─人生の節々にとらえられた多様なイメージは、今や世界中に知られる「叫び」の画家が表現した自らの人生と、その芸術の神髄を感じさせます。

第2章 家族と死

1863年、軍医だった厳格な父クリスチャンと母ラウラの長男として誕生したムンク。5歳の時、母が5人の子どもを残して結核により死去、9年後には一つ上の姉をも同じ病で失いました。その死を思わせる一連の作品「病める子」は自然主義的な表現からの脱却をみせる初期の代表作となりました。一方、因習の転倒や自由恋愛を標榜する故郷のボヘミアン・グループ、パリやベルリンで出会った世紀末を代表する作家たちの肖像も、画家ムンクが生きた時代を映し出します。

「《病める子》は、新たな道を切りひらいた、私の芸術における、一つの突破口。そのあと描いた多くの絵の起源がそこにある。」 ─印刷物より(1928年)

第3章 夏の夜―孤独と憂鬱

ムンクは欧州各地で展覧会を開催し、次第に国際的な評価を築くなか、オスロ・フィヨルドをのぞむ故郷で夏を過ごす生活を続けました。

《夏の夜、人魚》をはじめ、ノルウェーの短い夏の白夜、月光が映し出すフィヨルドが、原風景のように繰り返し作品に登場します。静かに寄せる波や湾曲した海岸線、海辺の丸石、空の雲などの自然の風景が、物思いに耽る人物の孤独な感情と呼応するかのように描き出されます。

第4章 魂の叫び―不安と絶望

留学中に父をも亡くしたムンクは、パリやベルリンで新たな思想や芸術に刺激を受けながら、次第に象徴性を帯び、人間の内面が露にされたような独自の表現を確立しました。1890年代前半には《叫び》(オスロ国立美術館蔵)などの代表作も制作。それらの異なる主題の中に、人間の不安や孤独と呼応するように空が紅く染まるフィヨルドの風景や、遠近法が強調された同様の構図などを、繰り返し登場させました。画家はやがて装飾的な意図をもった連作〈生命のフリーズ〉を構想。魂の叫びが共鳴するムンクの絵画は20世紀における表現主義の潮流の先駆けとなりました。

第5章 接吻、吸血鬼、マドンナ

「接吻」、「吸血鬼」、「マドンナ」は「叫び」と同様、愛や死をテーマとする連作〈生命のフリーズ〉の中核を占めるモティーフです。1894年以降、版画にも取り組んだ画家は、パリやベルリンで多様な技法に精通し、膨大かつ傑出した作品を残しました。ムンクは、新たな表現を探求しながら、時に過去に立ち返り自身の記憶を反芻するように、そして代表作を世間に広める一方、自身の手元に残しておくためにも、後年まで同じ主題に繰り返し取り組み、沢山のヴァリエーションを生みました。

第6章 男と女―愛、嫉妬、別れ

ムンクは自由恋愛が叫ばれる時代のなか、初恋の相手の人妻ミリー・タウロヴ、ベルリン時代に仲間たちのミューズとなったダグニー・ユール、銃の暴発事件を起こした恋人トゥラ・ラーセンなど、女性たちとの愛憎を作品の重要なモティーフとしました。代表作《生命のダンス》をはじめ、〈緑の部屋〉や、晩年アトリエで描いた〈芸術家とモデル〉の連作に至るまで、生涯にわたり愛を主題とした作品の制作を続けました。

第7章 全身肖像画

ムンクは初期から家族や身近な人たちを描いた全身肖像画を手がけ、それをテーマとする展覧会まで開催しました。パトロンたちによる肖像画の注文は、貧しい時代の画家の生活を支えました。恋人トゥラとの間で起こった銃の暴発事件以降、神経症とアルコール依存症に悩まされたムンクは、入院から回復へと至る過程で、医師《ダニエル・ヤコブソン》を威厳ある姿で描き出します。また、自身の芸術を支えた親しい友人たちの肖像を描いて「守護者」と呼び、それらを大切に手元に置いていました。

第8章 躍動する風景―冬景色と太陽

勲章の授与や、個展の成功など、ムンクは40代で祖国での評価を確かなものとします。神経症の療養後は長い放浪生活を終えて故郷に帰還。ようやく手にした経済的な安定の末、自作を並べて制作に取り組める野外アトリエなどを整え、クリスチャニア大学講堂の壁画をはじめとする大規模なプロジェクトにも、意欲的に取り組みました。偉大なる自然と人間の知性を主題としたこの大作をはじめ、祖国の自然をダイナミックに表現したモニュメンタルな風景画をこの頃に数多く描いています。

第9章 画家の晩年

国民的画家となったムンクは1916年にクリスチャニア郊外のエーケリーに家を購入、隠遁生活を送りつつ、旺盛な制作を続けました。ナチス・ドイツの台頭と共にドイツ国内のムンク作品は頽廃芸術として押収され、1940年にはノルウェーがナチスに占領されます。晩年は、鮮やかな色彩と軽いタッチによる平面的で明るい画面の作風を生み出し、《二人、孤独な人たち》など初期作品の再制作も続けました。画家が戦禍のなか1944年で亡くなるのは、80歳のことでした。

開催概要

項目内容
展覧会名ムンク展―共鳴する魂の叫び
会期2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
開室時間9:30~17:30
※金曜日、11月1日(木)、11月3日(土・祝)は午後8時まで
(入室は閉室の30分前まで)
休室日月曜日 (ただし、11/26、12/10、24、1/14は開室)
12/25(火)、1/15(火)
年末年始休館 12/31(月)、1/1(火・祝)
会場東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
主催東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、
朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日
後援ノルウェー大使館
協賛アトレ、鹿島建設、ショップチャンネル、セコム、
ソニーマーケティング、東レ、凸版印刷
制作協力P.I.C.S.、博報堂DYメディアパートナーズ
協力フィンエアー
問い合わせハローダイヤル 03-5777-8600

観覧料

  • 一般 1,600円、大学生・専門学校生 1,300円、高校生800円、65歳以上 1,000円
  • 12月は高校生無料
  • 11月21日(水)、12月19日(水)、1月16日はシルバーデーにより、65歳以上の方は無料。当日は混雑が予想されます。

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