[会期終了]かなり詳しい「ルーベンス展」みどころ紹介

2018年12月28日

投稿:M3PRESS編集部

※会期終了にともない、一部画像の表示終了しました。

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会場入口
報道内覧会にて編集部撮影

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「ルーベンス展―バロックの誕生」1月20日まで

上野公園の国立西洋美術館で「ルーベンス展―バロックの誕生」が開催されています。会期は2019年1月20日まで。ペーテル・パウル・ルーベンスといえば、『フランダースの犬』。最終回でネロとパトラッシュが天に召されるシーンの聖母大聖堂の祭壇画で日本では知られていますが、西洋では圧倒的にルーベンスの方が知られています。17世紀ヨーロッパを代表し「王の画家にして画家の王」と呼ばれたこのルーベンスを、本展覧会ではイタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介します。

この記事では、ルーベンス最後の大作といわれる《聖アンデレの殉教》の出品など、見どころ満載の本展の魅力を、開幕に先立って行われた報道内覧会での取材による会場レポート、そして展示作品の一部の画像でご紹介します。

最新情報(12月28日):「山田五郎さんトークイベント」“再追加”開催決定!

山田五郎さんがルーベンス展について解説するトークイベント、大好評につき再追加開催が、1月9日(水)に決定しました。
過去2回とも早々にソールドアウト、トークの内容も改訂を重ね、時間も拡大している大好評の本イベント。今回も展覧会入場券とヴィタメールマカダミア・ショコラがついたスペシャルチケットとして販売されます。

  • 開催日 :2019年1月9日(水)14:00〜15:00
  • 場所 :国立西洋美術館 講堂(地下2階)
  • 販売価格:4,000円(税込)
  • 販売場所:公式サイト内チケBOO!、チケットぴあWEBサイト(Pコード:763-317)、ぴあ音声認識予約(0570-02-9999)、ぴあステーション、セブン-イレブン マルチコピー機 (「チケットぴあ」を選択してください。)

詳細は公式ホームページの「チケット」をご参照ください。

ルーベンス展-バロックの誕生|TBSテレビ

「ルーベンス展-バロックの誕生」の公式サイトです。2018年10月16日(火)〜…
www.tbs.co.jp

ルーベンス展の見どころ まとめ

日本初公開!ルーベンス最後の大作が来日

まず特筆すべきは、ルーベンス最後の大作といわれる《聖アンデレの殉教》の出品。

この大画面には、ヤコブス・デ・ウォラギネの「黄金伝説』に記述された、聖アンデレの殉教場面のクライマックスが描かれています。ギリシャのパトラスにて、ペテロの兄弟で漁夫のアンデレは、ローマ総督アイゲアテスによって十字架にはりつけにされました。2日間十字架に残されたアンデレは、彼を取り巻いていた2万人の人々に教えを説きました。アイゲアテスに怒った人々が脅したため、彼はアンデレを十字架から外すよう部下に命じましたが、アンデレは生きたまま十字架から降りることを拒絶し、祈りをとなえました。するとその瞬間に天から一条の光がさし、彼の霊は光とともに昇天したというシーンです。

本邦初公開含むルーベンス作品約40点が10ヵ国より集結

“絵筆の熱狂”と称される筆さばき、バロック美術の巨匠らしい豊穣な作品をお楽しみください。

3メートル級の大作・祭壇画が一堂に並ぶ、圧巻の展示構成

《聖アンデレの殉教》(縦3m)、《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》(横3.5m)等を観賞出来ます。

アントワープ聖母大聖堂の祭壇画を“ほぼ原寸大”4Kで再現

『フランダースの犬』最終回で有名な《キリスト降架》を含む大作を極上映像+音声で上映。

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会場レポ

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会場入口
報道内覧会にて編集部撮影

10月15日に行われた報道内覧会を取材して来ました。会場の展示の様子などをお伝えします。

展示のようす

本展は時系列ではなく、テーマ別に分けられた構成となっています。非常に大勢の報道陣が詰めかけていました。

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報道内覧会の様子 編集部撮影
画面の中央は《聖アンデレの殉教》

ルーベンス最後の大作といわれる《聖アンデレの殉教》。素早い筆使い、生命に溢れた躍動感。近くではっきり見られるのは非常に稀な機会ということです。

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報道内覧会の様子
編集部撮影

ミュージアムショップ

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報道内覧会にて編集部撮影
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報道内覧会にて編集部撮影

非常に豪華な図録は税込み3000円。なんと表紙が2種類から選べます。どちらを買うか迷いますねー。

混雑情報(公式Twitterについて)

公式Twitterも混雑情報や展覧会の見どころについてつぶやいています。

関連:『ルーベンスぴあ』[ad]

「ルーベンス展―バロックの誕生」開催記念MOOK『ルーベンスぴあ』が発売されています。17世紀ヨーロッパを代表するバロック美術の巨匠・ルーベンスの魅力と展覧会の見どころをわかりやすく解説したガイドブックということです。

[aside]次のページより展示作品の一部をご紹介します。[/aside]

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報道内覧会の様子 画面中央は《セネカの死》
編集部撮影

ルーベンスについて

ルーベンス( 1577-1640)はスペイン領ネーデルラント(現在のベルギー、ルクセンブルクを中心とする地域)のアントウェルペンで育ちました。由緒ある家柄の息子だったため、宮廷人となるべく高度な教育をほどこされましたが、画家への思い捨てがたく、修業を始めます。修業を終えると 1600年から 08年までイタリアに滞在し、古代美術やルネサンスの美術を咀嚼しつつ、当時の最先端の美術を身につけた画家に成長しました。アントウェルペンに戻ったルーベンスはこの地を治める総督夫妻の宮廷画家となり、大規模な工房を組織して精力的に制作に励みましたが、一方で外交官としても活動します。彼はスペインやイギリスなどに赴き、当時戦乱のさなかにあったヨーロッパに平和をもたらすべく、奔走しました。その際も各地の宮廷のコレクションを熱心に研究し、自らの制作に役立てました。彼は光と動きにあふれる作品によって、当時ヨーロッパで流行したバロック美術を代表する画家となっています。

展示作品の一部をご紹介

展示について

展示は全7章構成。ルーベンスの作品とともに、古代彫刻や彼に先行する16世紀のイタリアの芸術家の作品、そして同時代以降のイタリア・バロックの芸術家たちの作品が展示されます。ルーベンスとイタリアとの双方向の影響関係に焦点を当てた展覧会は、初の試みとなります。

1章 ルーベンスによる古代美術とイタリア美術の学習

ルーベンスの作品の他、古代彫刻や 16世紀の作品のルーベンスによる模写を展示します。

《セネカの死》

古代ローマの哲学者セネカは謀反の濡れ衣を着せられ、皇帝に自殺を命じられた。彼は血管を切る方法を選び、湯を張ったたらいに足を入れて血の巡りをよくし、死期を早めた。セネカはルーベンスも属したアントウェルペンの知的サークルにおいて、模範とされる哲学者であった。その姿勢は有名な古代彫刻をほぼそのまま引用したものだが、頭部は当時セネカ像と考えられていた別の古代彫刻にもとづいている。ルーベンス自身が描いたのは頭部のみで、その他の部分は工房による。

《アグリッピナとゲルマニクス》

ゲルマニクスは古代ローマの皇族であり、かつ有能な軍人だった。その妻アグリッピナも古代ローマの皇族であり、彼らの孫がネロ帝である。ふたりをプロフィールで描くこの絵は古代のカメオの形式にもとづいており、ルーベンスの古代美術への憧憬を物語っている。ただし肌や髪には生気が溢れており、古代彫刻を生き返らせたかのようである。

2章 英雄としての聖人たち:宗教画とバロック

ルーベンスは宗教画に快楽的かつ古典的な性格を与えました。彼が参考にした作品や彼が影響を与えたイタリアの作品とともに展示します。

《キリスト哀悼》

十字架から降ろしたキリストを埋葬する前、その遺体のまわりに聖母らが集まり、悲しむ場面である。ルーベンスがイタリアに着いて間もないころの作とされる(異論もある)。石棺のうえにキリストが載せられているのは、埋葬をほのめかすと同時に、ミサの際に祭壇で聖別されたパンとぶどう酒が、キリストの肉と血に変化することを象徴している。古代石棺に描かれる図像には、ストア派哲学のキリスト教的な解釈との関係が指摘されている。

3章 肖像画

家族や親しい人々を描いたものから公的な肖像画まで、様々な性格の肖像画を展示します。

《眠る二人の子供》

ふたりの子供は早世した兄フィリプスの子供たちと考えられている。ルーベンスは兄ときわめて仲が良く、ローマでは同居していた時期もあった。兄亡きあとは甥と姪の後見人となっている。この絵でも幼いふたりに対する愛情が感じ取れるだろう。もっとも、この絵は大きな作品を制作する際の見本とするために描かれたものであり、同じ頭部が天使や幼児イエスとして登場する作品がある。

《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》

ルーベンスの最初の妻イサベラ・ブラントとの間に生まれた長女クララ・セレーナの肖像画である。このとき 5歳くらいだった彼女が見せる天真爛漫な笑顔は、父との親密さを物語る。実際彼女はとても近くにいるように見え、見る人との物理的・心理的な距離感がこの絵の魅力となっている。ルーベンスが自分の楽しみとしてこの絵を描いたことは、未完成のように見える仕上げからも見て取ることができよう。

4章 ルーベンスの筆さばき:速筆が画面にもたらす活力

「絵筆の熱狂」という言葉に沿って展開される章で、ルーベンス作品の生き生きとして濃密な動きを特集します。

《パエトンの墜落》

《パエトンの墜落》
ルネサンスとバロックの時代に好まれた主題である。太陽神アポロの息子パエトンは渋る父に頼み込み、太陽の馬車を駆らせてもらう。しかしパエトンは馬車の御し方を知らなったから、馬たちは軌道を外れて暴走し、地上は燃え立ちはじめる。大地の神の嘆願を聞いたユピテルは雷をパエトンに投げつけ、その結果馬車は壊され、パエトンは墜落死した。本作は雷が放たれたその瞬間を描く。画面に見られる多くの描き直しによって、ルーベンスは熟慮を重ね構図を練ったことが分かる。

5章 ヘラクレスと男性ヌード

《ファルネーゼ家のヘラクレス》などの古代彫刻に理想の男性像を見出したルーベンス。ルーベンス以降のイタリアの画家たちによる男性ヌードも数多く展示します。

《ローマの慈愛(キモンとペロ)》

6章 ヴィーナスと女性ヌード

この章では女性ヌードを特集。女性ヌードを題材とする全身像の古代彫刻を、ルーベンスやイタリアの画家たちの絵画作品と同じ空間に展示します。

《ヴィーナス、マルスとキューピッド》

ヴィーナスは愛と美、豊穣の神、マルスは戦の神であった。キューピッドは彼らの子供であり、やはり愛の神である。ヴィーナスの美と愛によってマルスの武装が解除されるという図像は、ルネサンス以来しばしば描かれた。ここでもマルスは盾を置き、彼の後ろのキューピッドが鎧の留め具を外している。マルスはヴィーナスのもとにいて平和が保たれているから、彼女は安心してもうひとりのキューピッドに授乳している。

7章 神話の叙述

ルーベンスの描いたその他の神話主題を、古代彫刻とともに展示します。これらは、彼が古代彫刻の表現のみならず、古代文学にも精通していたことを物語っており、彼の造形が知性に根差したものであることを伝えてくれます。

《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》

ミネルウァを犯そうとして失敗したウルカヌスの精液が地面にこぼれ、大地が身籠ってエリクトニオスが生まれた。ミネルウァはこの子を籠に入れ、絶対に開けてはならぬと言ってアッティカ王の三人の娘に託したが、姉妹のひとりアグラウオスは籠を開けてしまう。籠の中にいたエリクトニオスには、足の代わりにヘビの尾が生えていた。画面左の彫像は獣的な性欲を、右端の彫刻は大地の女神を表し、話の発端を象徴している。三人の姉妹は古代彫刻に血を通わせたかのようである。

《マルスとレア・シルウィア》

王女レア・シルウィアは叔父によって父と兄弟が殺害されたのち、子孫が生まれないよう巫女にされた。しかしマルス神によって懐妊させられ、双子を出産する。双子はテヴェレ川に流されたが、雌オオカミとキツツキによって育てられた。彼らはやがて拾われてロムルスとレムスと名付けられ、長じてローマの伝説上の建国者となる。通常は泉のほとりでレア・シルウィアが眠っている間にマルスが見初めるのだが、ここでは神殿が舞台となっている。雲に乗ってきたマルスが降り立ち、キューピッドがふたりを結びつけている。

展覧会概要

項目内容
展覧会名ルーベンス展―バロックの誕生
会期2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)
会場国立西洋美術館(東京・上野公園)
東京都台東区上野公園7の7
開館時間9時30分〜17時30分
金曜、土曜は20時まで。
ただし11月17日は17時30分まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日月曜日(ただし12/24、1/14は開館)
12/28〜1/1、1/15
主催国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社
後援ベルギー大使館、イタリア大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、BS-TBS、TBSラジオ
特別協賛大和証券グループ
協賛NISSHA株式会社、あいおいニッセイ同和損保、三井物産、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社シュガーレディ
協力アリタリア、日本貨物航空、日本航空、日本通運、ルフトハンザカーゴ AG、ルフトハンザ ドイツ航空、西洋美術振興財団
お問い合わせTEL. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式ウェブサイトhttp://www.tbs.co.jp/rubens2018/

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