東京都江戸東京博物館で企画展「発掘された日本列島2020」開催

東京都江戸博物館(両国)では、6月13日より企画展「発掘された日本列島2020」が開催中です。全国で毎年約9,000件の発掘調査が実施されていますが、その成果に実際に触れる機会は、極めて限られており、国民が埋蔵文化財に親しみ、その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として、平成7年度から始まった本展は今回が26回目。近年発掘調査が行われた中で特に注目された出土品を中心に展示されます。
展示について
展示は2つの特集から構成されます。また、会場の5F企画展示室前では地域展 「東京府史蹟」の開催も。いずれも常設展の料金で観覧ができます。
特集1 日本の自然が育んだ多様な地域文化
南北に細長い日本列島では、山脈と平野からなる起伏に富んだ地形とその周囲を流れる海流により、多様な気候と自然環境が生み出され、人々はそうした自然と共生する中で多様な地域文化を育んできました。本特集では、旧石器時代から古墳時代にかけての各地域の遺跡の発掘調査成果をつうじて、列島を織りなす多様な歴史文化の姿を紹介します。
特集2 記念物100年―我がまちが誇る史跡・名勝・天然記念物―
記念物は、我が国にとって歴史上・学術上価値の高い遺跡、観賞上価値の高い名勝地、学術上価値の高い動物・植物・地質鉱物の総称で、その中で重要なものは文化財保護法により「史跡」「名勝」「天然記念物」に指定されています。記念物を保護する制度である「史蹟名勝天然紀念物保存法」が施行されて、昨年で100年の節目を迎え、文化庁では「記念物100年」事業を行っています。今年度は「我がまちが誇る史跡・名勝・天然記念物」と題して、記念物の魅力を広く国民に共有するために行われている全国各地の取組を紹介します。
地域展 「東京府史蹟」
文化財保護法の前身の一つである「史蹟名勝天然紀念物保存法」は、1919年(大正8)4月10日に制定、同年6月1日に施行されました。東京府は、保存法施行のわずか24日後の6月25日に、『東京府史蹟』を刊行しました。
『東京府史蹟』は、当時の東京における史跡、名勝地、天然記念物合計67件を写真と解説文で紹介しています。題字は、東京府知事 井上友一が揮毫。序には、史蹟名勝天然紀念物保存の重要性を説き、1917年に史蹟保存心得を公布し、普及活動として史蹟講演会と展覧会を開催、1919年2月に台帳作成を開始したことが書かれています。本書刊行の経緯や時期から、東京府は、「史蹟名勝天然紀念物保存法」の内容を意識し、編纂にあたったことが伺えます。
展示では、館蔵及び寄託資料で、「史蹟名勝天然紀念物保存法」成立当時における東京府史蹟の一部を紹介します。
主な展示資料
- 【左】:鹿形埴輪 土下(はした)古墳群(鳥取県北栄町) 鳥取県立博物館提供
- 【左】:火焔型土器 吉野屋遺跡(新潟県三条市) 三条市提供
- 【左】:柄付き鉄製ヤリガンナ 八日市地方遺跡(石川県小松市) 公益財団法人石川県埋蔵文化財センター提供
- 【左】:蓋(きぬがさ)立ち飾り ニサンザイ古墳(大阪府堺市) 堺市提供


開催概要
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、展覧会会期や閉館時間等に変更があります。最新情報は公式ホームページ、Twitter等でご確認ください。
- 会期:令和2年6月13日(土)~8月3日(月)
- 開館時間:午前9時30分~午後5時30分 ※入館は閉館の30分前まで
企画展開催中の休館日:6月15日(月)・22日(月)・29日(月)、7月6日(月)・13日(月)・20日(月) - 会場:東京都江戸東京博物館 常設展示室 5F企画展示室
- 観覧料:一般 600円/大学・専門学校生 480円/高校生・中学生(都外)・65歳以上 300円/中学生(都内)・小学生以下無料
※企画展は常設展観覧料でご覧になれます - 主催:文化庁、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、東京新聞、全国新聞社事業協議会
- 協力:全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会、全国埋蔵文化財法人連絡協議会、公益財団法人元興寺文化財研究所、共同通信社
- 後援:全国史跡整備市町村協議会
展覧会公式ページ
