「縄文竪穴式住居復原プロジェクト」 復元縄文住居
住居内の広さは4人が膝を曲げて横になれるくらいの規模。構造は、小屋組みをサス組みとして棟を受け、小屋組みとその下の柱や梁を分けた造りとしています。屋根は、下地にヒノキの樹皮を使い、その上に土を盛ったもの。土が雨で流出しないよう芝を植え、出入り口には鹿皮を用いています。また、制作にあたっては、1本目の木の伐りだしに復元した磨製石斧を用いたり、フジ蔓を採集して縄にしたり、木材を割るのに木製の杭を打ち込むなど縄文時代の技法を試み、そのほかは現代の道具や技術、材料を使用して制作しているそうです。
制作過程


力仕事が多い一方で、慎重に行わなければ住居の崩壊につながる作業もあり、住居づくりの難しさを体感しました。すべて手作業で行うので大変でしたが、当時の方々の知恵や技術について考える機会となりました。
大内田研究室 建築学科3年 中川 実耶(なかがわ みや)さん コメント

作業に参加して、材料の素材感や加工方法など実際に制作してみなければ分からない当時の暮らしや知恵を学ぶことができました。縄文住居について体験を通して学ぶことで、現代につながる日本建築のルーツを考える貴重な経験になりました。
大内田研究室 建築デザイン学科3年 長瀬 琴子(ながせ ことこ)さん コメント

関連情報:江戸東京博物館の特別展図録にも本プロジェクトの詳細が

特設ミュージアムショップにて編集部撮影(2021年10月)
現在、江戸東京博物館(両国)にて開催中の特別展「縄文2021―東京に生きた縄文人―」の公式図録「東京」に生きた縄文人」の後半に、特別企画として、この「縄文竪穴式住居復原プロジェクト」についての詳細が多数の写真や図とともに掲載されています。同展については当サイトも会場を取材していますので、こちらもどうぞ。
江戸東京たてもの園 特別展「縄文2021 ―縄文のくらしとたてもの―」概要
1万年以上にわたって続いた縄文時代。この長い時代を生きた縄文人のくらしぶりとは、どのようなものであったのでしょうか?本展覧会では、江戸東京たてもの園の前身である「武蔵野郷土館」収集の資料を中心に縄文人のくらしぶりを紹介するとともに、園内東ゾーンに、復元縄文住居を展示します。1万年を超える歴史の流れを、目で見て、体感できる展覧会です。 ※開園時間、休園日、事前予約、入園料などの詳細は、公式サイトをご覧ください。
- 会期: 2021年10月9日(土) ~ 2022年5月29日(日)
- 会場: 江戸東京たてもの園 展示室ほか
- 主催: 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 江戸東京たてもの園
リソース
- 学校法人 工学院大学 広報課プレスリリース