東京国立博物館の秋の恒例企画、「博物館でアジアの旅」が2021年9月14日(火)より開催されます。東洋の美術・工芸・考古遺物が集う「東洋館」を舞台に、毎年異なるテーマを掲げ、それにちなんだ名品を館内随所に展示する同企画、8回目となる今回のテーマは「空想動物園」です。

アジアの造形芸術のなかでも大きな位置を占める空想上の動物たちに光をあて、龍・麒麟といったどこかで見聞きしたことのある瑞獣から正体未詳の動物まで、個性豊かな姿が紹介されます。
主な展示作品の紹介
- すべて東京国立博物館蔵、通期展示となります。
「博物館でアジアの旅」は東洋館の各展示室をまわりながら、作品を見つけていくというスタイル。企画空想動物にまつわる作品のそばに添えられる「博物館でアジアの旅 空想動物園」が目印です。
【東洋館11室】 ガネーシャ坐像(ざぞう)

- ガネーシャ坐像(ざぞう)
- カンボジア・ブッダのテラス北側 アンコール時代・12~13世紀
- フランス極東学院交換品
象の頭に人間のからだを持つガネーシャは、富と知恵をつかさどるヒンドゥー教の神です。
【東洋館3室】 人面鳥像(じんめんちょうぞう)

- 人面鳥像(じんめんちょうぞう)
- 中国、ヨートカン(ホータン) 1~4世紀
- 大谷探検隊将来品
シルクロードでつくられた、男女の顔をもつ鳥がお互いに寄り添った像。
【東洋館3室】 グリフィン像飾板(ぞうかざりいた)

- グリフィン像飾板(ぞうかざりいた)
- イタリア、タラント出土 前4世紀 谷村敬介氏寄贈
ライオンとワシの属性を合わせもつ「最強生物」であるグリフィンを表現し、護符として棺に取りつけた装飾板。
【東洋館4室】 石彫怪獣(せきちょうかいじゅう)

- 石彫怪獣(せきちょうかいじゅう)
- 伝中国河南省安陽市殷墟出土
- 殷時代・前13~前11世紀
謎の生物。殷(いん)という古代王朝の宮殿で用いられていた可能性があります。
【東洋館5室】 三彩鎮墓獣(さんさいちんぼじゅう)

- 三彩鎮墓獣(さんさいちんぼじゅう)
- 中国 唐時代・7~8世紀
- 横河民輔氏寄贈
墓を守るために墓室に置かれた空想上の猛獣。
【東洋館5室】 海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)

- 海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)
- 中国 唐時代・7世紀
たわわに実った葡萄とつる草のなかを獣が駆けまわっています。一説にこれは狻猊(さんげい)という獅子の仲間と考えられています。
【東洋館5室】 仙人騎鳥獣八稜鏡(せんにんきちょうじゅうはちりょうきょう)

- 仙人騎鳥獣八稜鏡(せんにんきちょうじゅうはちりょうきょう)
- 中国 唐時代・8世紀
仙人あるいは道士が麒麟や鳳凰などに乗って空を駆けています。
【東洋館5室】 青花龍濤文壺(せいかりゅうとうもんつぼ)

- 中国・景徳鎮窯 元時代・14世紀
いまにも飛び出してきそうな四爪の龍。精確な表現も必見です。
【東洋館5室】 五彩龍鳳文面盆(ごさいりゅうほうもんめんぼん)

- 五彩龍鳳文面盆(ごさいりゅうほうもんめんぼん)
- 中国・景徳鎮窯「大明万暦年製」銘 明時代・万暦年間(1573~1620年) 横河民輔氏寄贈
コバルトで下絵付けをし、赤、黄色、緑などの上絵具で彩りを添えた五彩のやきもの。龍や鳳凰などが描かれています。
【東洋館9室】 饕餮七宝卣(とうてつしっぽうゆう)

- 饕餮七宝卣(とうてつしっぽうゆう)
- 中国 清時代・19世紀 神谷伝兵衛氏寄贈
古代の青銅器にならって製作された七宝の器物。饕餮という怪獣が目玉を輝かせています。
【東洋館11室】 楣(まぐさ)

- 楣(まぐさ)
- カンボジア、タ・セル アンコール時代・11世紀 フランス極東学院交換品
楣は建物の入口上部を飾るもので、左下、右下に怪魚マカラが表されています。
博物館でアジアの旅 空想動物園
本展は事前予約制となります。最新の情報等やチケットの詳細につきましては、公式サイトを必ずご確認下さい。
- 会期 :2021年9月14日(火)~10月17日(日)
- 会場 :東京国立博物館 東洋館
- 開館時間:9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで
- 休館日 :月曜日、9月21日(火) ※ただし、9月20日(月・祝)は開館
- 観覧料 :一般 1,000円/大学生 500円
- お問合せ : 050-5541-8600(ハローダイヤル)
東京国立博物館の公式サイト
東京国立博物館YouTubeチャンネル
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リソース
- 東京国立博物館プレスリリース
- https://www.atpress.ne.jp/news/270255