東京国立博物館 平成館にて、聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」が2021年7月13日(火)より開催されています。本展は今年が聖徳太子の1400年遠忌にあたることを記念して開催される展覧会で、会期は9月5日(日)まで。
左:国宝 四天王像 広目天 右:国宝 国宝 四天王像 多聞天
ともに飛鳥時代(7世紀) 奈良・法隆寺 所蔵
法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、また飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて、聖徳太子その人と太子信仰の世界に迫る本展。編集部では開幕に先だって7月12日に開催された報道内覧会を取材、この特別展の魅力を紹介します。
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本記事は会場展示風景がメインですが、別記事では、主な展示作品を大きい画像で掲載、展覧会のみどころをまとめています。まだの方はこちらよりどうぞ。
動画
会場レポート
会場風景とごく一部の作品をピックアップしながらご紹介します。
重要文化財・如意輪観世音菩薩半跏像
展覧会は「重要文化財・如意輪観世音菩薩半跏像」の展示からスタート。聖徳太子を祀る聖霊院(しょうりょういん)に安置される菩薩形像です。平安時代以降、聖徳太子を観音の化身とする信仰を背景として、弥勒は観音へと名称が変更されていきます。

画面中央は 重要文化財 如意輪観音菩薩半跏像 平安時代(11~12世紀) 奈良・法隆寺 所蔵
聖徳太子二王子像(模本)
御物 聖徳太子二王子像の模写で、幕末の幕府御用達絵師である狩野養信が天保十三年に写したもの。天保十三年には江戸・回向院で法隆寺什宝(じゅうほう)の出開帳(でかいちょう)が行われました。その際に多くの宝物が奈良から江戸に運ばれ、養信は門下の絵師たちを動員して多くの模写を行わせました。

画面手前:聖徳太子二王子像(模本) 狩野養信模写 江戸時代・天保13年(1842)、東京国立博物館蔵
重要文化財 伎楽面(ぎがくめん)、崑崙(こんろん)
伎楽は推古天皇20年(612)に百済から帰化した味摩之(みまし)が伝え、桜井に少年を集めて習わせたというもの。これは聖徳太子の指示によるものとされます。左の崑崙は縦34センチもの大きな面で比率で考えれば身長2.5メートルもの巨人の顔。上下に牙があり、その目は怒りを表しています。

画面手前左:重要文化財 伎楽面(ぎがくめん) 崑崙(こんろん)
画面手前右:重要文化財 伎楽面 呉女(ごじょ)
ともに 飛鳥時代(7世紀) 東京国立博物館所蔵(法隆寺献納宝物)
展示風景
展示風景を抜粋でお届けしています。
国宝の「四天王像 広目天」「四天王像 多聞天
国宝の「四天王像 広目天」「四天王像 多聞天」。法隆寺金堂は世界最古の木造建築とされ、その須弥壇状の四角に安置されてて本尊の釈迦如来像などの諸仏を守ります。四天王像というと邪鬼を踏みしめるポーズを連想しますが、法隆寺金堂の四天王像は直立して前方を向いています。また、現在は褐色となっていますが、もともとは肉色だったということです。

左:国宝 四天王像 広目天 右:国宝 国宝 四天王像 多聞天
ともに飛鳥時代(7世紀) 奈良・法隆寺 所蔵
会場内ミュージアムショップ

展覧会図録(2,800円税込)をはじめ、今回もオリジナルグッズが充実。可愛すぎる聖徳太子Tシャツは3,000円(税込)、今回のマストバイかも!
開催概要 聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」
- 会期:2021年7月13日(火)~9月5日(日)
- 前期 7月13日(火)~8月8日(日)
- 後期 8月10日(火)~9月5日(日)
- 会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
- お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
- 東京国立博物館の公式サイト https://www.tnm.jp/
展覧会公式サイト
取材ご協力
- 東京国立博物館さま、聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」広報事務局さま