[会期終了]「世界報道写真展2018」を取材(東京都写真美術館・恵比寿)

2018年6月8日

投稿:M3PRESS編集部

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正解報道写真展2018会場の展示風景
プレスプレビューにて編集部撮影
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総計約400万人が会場に足を運ぶ世界最大級の写真展

恵比寿の東京都写真美術館で2018年6月9日(土)より世界最大級の写真展「世界報道写真展2018」が開催されています。(会期は8月5日(日)まで)。これは1955 年にオランダのアムステルダムで、世界報道写真財団が発足したことにより翌年から始まったドキュメンタリーと報道写真の展覧会です。国際審査員団によって選ばれた「世界報道写真コンテスト」入賞作品が「世界報道写真展」作品として、世界中の約100会場で展示され、年間を通じ、総計約400 万人が会場に足を運ぶ世界最大級の写真展となります。

世界報道写真展の全8部門について

コンテストの部門は「現代社会の問題」、「一般ニュース」、「長期取材」、「自然」、「人々」、「スポーツ」、「スポットニュース」、「環境」の部の全8部門。それぞれが「単写真」と「組写真」に分かれています。入賞者は部門毎に各1位から3位までのいずれかに該当し、入賞者の中から、その年の最も優れた作品に対して「世界報道写真大賞」が贈られます。第61回目を迎える今回は125の国と地域から4,548人のフォトグラファーが参加、73,044点の応募がありました。

61回目の大賞はベネズエラでのデモ活動を描いた作品

今年の大賞はロナルド・シュミット (ベネズエラ、AFP通信)の
ベネズエラでのデモ活動を描いた作品に決定しました。

「スポットニュースの部 単写真」 ロナルド・シュミット (ベネズエラ)AFP通信、2017年5月3日 (カラカス・ベネズエラ)
「スポットニュースの部 単写真」 ロナルド・シュミット (ベネズエラ)
AFP通信、2017年5月3日 (カラカス・ベネズエラ)

世界報道写真大賞 「スポットニュースの部 単写真」
ロナルド・シュミット (ベネズエラ、AFP通信、2017年5月3日)
「ベネズエラ危機」
ベネズエラのカラカスで、ニコラス・マドゥロ大統領への抗議行動中に
機動隊との激しい衝突が起こり、火だるまになるデモ参加者の
ホセ・ヴィクター・サラザール・バルザ(28歳)。
マドゥロ大統領はベネズエラの民主主義体制を見直すとして
野党が過半数を占める現国会を解散し、新たに制憲議会を召集することで、実質的に自らの立法権を強化することになる計画を発表した。
これに対し野党指導者らは、大統領選挙の早期実施を要求するため、
大衆に抗議デモを呼びかけた。2017年5月3日、デモ参加者と国家警備隊が衝突、デモ参加者(その多くが頭巾、仮面、ガスマスクなどを着用)は放火や投石を行った。オートバイの燃料タンクが爆発してサラザールの着衣に引火し1度から2度のやけどを負ったが、一命は取り留めた。

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ラウレンス・コルトウェーグ氏(世界報道写真財団 展示部長)によるギャラリートーク
プレスプレビューにて編集部撮影

開催に先立ち、アムステルダムの世界報道写真財団からラウレンス・コルトウェーグ展示部長が来日、ギャラリートークを行いました。コルトウェーグ氏は、今年の世界報道写真大賞となったこの写真について、写真の右側の壁には銃とスペイン語で「平和」を表す語が描かれており、火だるまになりながら平和に向かって走る姿に、平和を掴み取ることがいかに困難かというメッセージがあり、またサラザール氏が一命をとりとめたということも大きな意味があると語りました。

Twitterで世界的に話題になっていたこの写真を間近で観ることができます!

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世界報道写真展 2018 開催概要

項目内容
展覧会名称世界報道写真展 2018
会期2018年6月9日(土)~8 月5日(日)
会場東京都写真美術館  地下1階展示室(恵比寿ガーデンプレイス内)
開館時間10:00~18:00
木・金は 20:00まで
7月19・20・26・27 日、8月2日・3日は21:00 まで
※入館は閉館の 30 分前まで
休館日 毎週月曜日
7月16日は開館、翌17日休館)
 
主催世界報道写真財団
朝日新聞社
阪神電気鉄道(大阪)
立命館大学国際平和ミュージアム(京都、滋賀)
立命館アジア太平洋大学(大分)
共催東京都写真美術館(東京)
後援オランダ王国大使館
公益社団法人
日本写真協会
公益社団法人
日本写真家協会
全日本写真連盟
協賛キヤノンマーケティングジャパン株式会社
展覧会HPhttp://www.asahi.com/event/wpph/

観覧料

項目当日前売り/団体
一般800円640円
学生600円480円
中学・高校生400円320円
65歳以上400円320円
  • 小学生以下無料
  • 団体は20人以上より
    -※ 前売り券は販売終了

アクセス

  • 〒153-0062 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
  • 電話 03-3280-0099
  • 東京都写真美術館のHP http://www.topmuseum.jp
  • JR恵比寿駅東口より徒歩約7分
  • 東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分

巡回展について

大阪、大分、京都、そして滋賀での巡回展が決定しています。

エリア会期会場
大阪2018年8月7日(火)~8月16日(木)ハービス HALL
大分2018年9月16日(日)~10月3日(水)立命館アジア太平洋大学
京都2018年10月6日(土)~10月28日(日)立命館大学国際平和ミュージアム中野記念ホール
滋賀2018年10月30日(火)~11月11日(日)立命館大学びわこ・くさつキャンパスエポックホール

[box class=”yellow_box” title=”次のページへ”]次のセクションより会場の様子、そしてオフィシャルの画像にて全8部門の入賞作品を紹介します。
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恵比寿ガーデンプレイスは恵比寿駅から長い長い「歩く歩道」を抜けたところにあります。
編集部撮影

会場と展示の様子

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東京都写真美術館の入り口
編集部撮影

やはりスマホとかで観るのとは大違いなので、ここでは基本的に展示風景のみを撮影しています。会場の雰囲気を感じていただければと思います。

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会場展示風景
プレスプレビューにて編集部撮影
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会場展示風景
プレスプレビューにて編集部撮影
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会場展示風景
プレスプレビューにて編集部撮影

写真撮影について

写真撮影はNGです。特にフォトスポット的なものはありません。

コインロッカーについて

1Fにコインロッカーがあります。100玉が必要で後で戻ってくるタイプですが、扉の内側にコイン投入口があるという珍しいタイプで、外側はツルツルで面くらいますが、大丈夫です。展示は地下ですのでエレベーターで下りる前に荷物を入れておくと快適です。

次のセクションではオフィシャルの画像にて全8部門の入賞作品を紹介します。

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正解報道写真展2018会場の展示風景
プレスプレビューにて編集部撮影

全8部門の入賞作品を紹介

「現代社会の問題の部 単写真」ジェスコ・デンゼル(ドイツ) 2017年2月24日(ラゴス・ナイジェリア)

「現代社会の問題部 単写真」ジェスコ・デンゼル(ドイツ)2017年2月24日(ラゴス・ナイジェリア)
「現代社会の問題部 単写真」ジェスコ・デンゼル(ドイツ)
2017年2月24日(ラゴス・ナイジェリア)

危険にさらされるラゴスのウォーターフロント
ナイジェリアの都市・ラゴス、ラゴス礁湖の岸にあるマココ・コミュニティーの運 河を進む、国外駐在者たちを 乗せたラゴス・マリーナからのボート。古い漁村で、違法に定住する人々で人口が膨れ上がっている。

「環境の部 単写真」ニール・アルドリッジ(南アフリカ) 2017年9月21日(ボツワナ)

「環境の部 単写真」 ニール・アルドリッジ (南アフリカ)2017年9月21日 (ボツワナ)
「環境の部 単写真」 ニール・アルドリッジ (南アフリカ)
2017年9月21日 (ボツワナ)

自由を待つ
麻酔をかけられ目隠しをされた若い白サイ。密猟者たちからの保護のために南アフリカからボツワナのオカバンゴデルタに移され、解放されるのを待っている。

「一般ニュースの部 組写真」イヴォール・プリケット(アイルランド) ニューヨーク・タイムズに提供、2017年7月12日(モスル・イラク)

「一般ニュースの部 組写真」 イヴォール・プリケット (アイルランド)ニューヨーク・タイムズに提供、2017年7月12日 (モスル・イラク)
「一般ニュースの部 組写真」 イヴォール・プリケット (アイルランド)
ニューヨーク・タイムズに提供、2017年7月12日 (モスル・イラク)

モスルをめぐる戦闘
イラク軍特殊部隊の兵士によって手当てをうける身元不明の男の子。戦闘から数ヵ月たった7月初旬、イラク政府は、市街のあちこちで局地的な争いが続いているにもかかわらず、イスラム国(ISIS)からモスルを完全に奪還したと宣言した。数千におよぶ市民がモスルの戦闘で殺され、街の大部分が廃墟と化した。

「長期取材の部」ファウスト・ポダヴィーニ(イタリア) 2011年7月24日~2017年11月24日(エチオピア)

「長期取材の部」 ファウスト・ポダヴィーニ(イタリア)2011年7月24日~2017年11月24日(エチオピア)
「長期取材の部」 ファウスト・ポダヴィーニ(イタリア)
2011年7月24日~2017年11月24日(エチオピア)

オモの変貌
多様な民族からる約200,000人が居住する、エチオピアのオモ渓谷地方は、自然環境が極めて脆弱である。キベ第3ダムを建設した結果、環境的にも社会的にも深刻な影響が及び、急激に変貌している。

「自然の部 単写真」 トマス・P・ペシャク(ドイツ) 2017年4月18日(南ア領南極地域マリオン島)

トマス・P・ペシャク(ドイツ)2017年4月18日(南ア領南極地域マリオン島)
「自然の部 単写真」トマス・P・ペシャク(ドイツ)
2017年4月18日(南ア領南極地域マリオン島)

ジャンプ
インド洋に浮かぶ南ア領南極地域のマリオン島で、岩に覆われた海岸線を通り抜ける行動でその名にこたえるイワトビペンギン。

「人々の部 組写真」 アダム・ファーガソン (オーストラリア) ニューヨーク・タイムズに提供、2017年9月21日(ナイジェリア)

「人々の部 組写真」 アダム・ファーガソン(オーストラリア、ニューヨーク・タイムズに提供2017年9月21日(ナイジェリア)
「人々の部 組写真」 アダム・ファーガソン(オーストラリア、ニューヨーク・タイムズに提供
2017年9月21日(ナイジェリア)

ボコ・ハラムが自爆用の爆弾を縛りつけた。
どうにかティーン・エイジの少女たちは生き延びた。 ―― アイシャ、14歳

ナイジェリアのボルノ州にあるマイドゥグリでボコ・ハラムの戦闘員に誘拐された少女たちの肖像写真。爆発物を身体に縛りつけられ、人で混み合う場所で自爆するよう命じられたが、逃げ出して、爆弾を爆発させずに助けを得ることができた。

「スポーツの部 組写真」 アラン・シュローダー(ベルギー) レポーターズ、2017年9月24日(インドネシア)

「スポーツの部 組写真」 アラン・シュローダー(ベルギー)レポーターズ、2017年9月24日(インドネシア)
「スポーツの部 組写真」 アラン・シュローダー(ベルギー)
レポーターズ、2017年9月24日(インドネシア)

子どもの騎手たち
インドネシア、スンバワ島の伝統、マエン・ジャラン競馬では、子供の騎手たち(5~10 歳)が裸足のまま 防具もほとんど付けずに小さな裸馬に乗る。

「スポットニュースの部 単写真」 ロナルド・シュミット (ベネズエラ) AFP通信 2017年5月3日 (カラカス・ベネズエラ)

「スポットニュースの部 単写真」 ロナルド・シュミット (ベネズエラ)AFP通信、2017年5月3日 (カラカス・ベネズエラ)
「スポットニュースの部 単写真」 ロナルド・シュミット (ベネズエラ)
AFP通信、2017年5月3日 (カラカス・ベネズエラ)

ベネズエラ危機
ベネズエラのカラカスで、ニコラス・マドゥロ大統領への抗議行動中に機動隊との激しい衝突が起こり、火だるまになるデモ参加者のホセ・ヴィクター・サラザ ール・バルザ(28歳)。

感想など

展示写真は非常に大きいですが、キャプションは邪魔しないように小さくサイドに掲示されていますので、出展作品リストを見ながら観覧すると良いのかなと思います。個人的には、オランダのヤスパー・ドゥースト氏の自然の部 組写真2位になった作品で、保護獣されているニホンザルが日本では一部地域で興行目的で飼育・訓練されることが法律で認められていることについての写真が印象に残りました。(記事では写真についてはアップしていませんので是非、確かめに会場に足を運んでみて下さい!)

世界報道写真展 2018

項目内容
展覧会名称世界報道写真展 2018
会期2018年6月9日(土)~8 月5日(日)
会場東京都写真美術館  地下1階展示室(恵比寿ガーデンプレイス内)
開館時間10:00~18:00
木・金は 20:00まで
7月19・20・26・27 日、8月2日・3日は21:00 まで
※入館は閉館の 30 分前まで
休館日 毎週月曜日
7月16日は開館、翌17日休館)
 
主催世界報道写真財団
朝日新聞社
阪神電気鉄道(大阪)
立命館大学国際平和ミュージアム(京都、滋賀)
立命館アジア太平洋大学(大分)
共催東京都写真美術館(東京)
後援オランダ王国大使館
公益社団法人
日本写真協会
公益社団法人
日本写真家協会
全日本写真連盟
協賛キヤノンマーケティングジャパン株式会社
展覧会HPhttp://www.asahi.com/event/wpph/