国立科学博物館「風景の科学展 芸術と科学の融合」 に行ってきた[会期終了]

2019年9月11日

投稿:M3PRESS編集部

  • 取材協力:国立科学博物館さま
  • 記事中の会場内展示風景は、プレス向け内覧会にて編集部が撮影しています。記事本文ならびに写真の転載、引用のすべてを禁止します。
  • 展示会場入り口
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風景に地球の歴史を感じる展示

 企画展「風景の科学展 芸術と科学の融合」が2019年9月10日(火)より国立科学博物館にて開催中です。 写真家の上田 義彦氏が長年にわたり撮影してきた世界各地の風景写真。 それらの風景は、 国立科学博物館の自然史や科学技術史を専門とする研究者の目にはどのように映るのか、 という非常にユニークな視点の企画展で、 グラフィックデザイナーの佐藤 卓氏によるアートディレクションのもと、 上田氏の風景写真に国立科学博物館の研究者による解説および関連する標本をつけて展示し、芸術と科学の融合を図ります。会期は2019年12月1日(日)まで。

会場レポート

 本展は会場内での撮影は禁止となりますが、編集部でプレス向け内覧会を取材しましたので展示の様子をご紹介します。

  • プレス向け内覧会には篠田謙一 国立科学博物館 副館長の他、本展企画の佐藤卓氏、「触れる地球」の展示協力の竹村眞一氏らも出席

 「芸術と科学の融合」という趣旨の展覧会は、2012 年に縄文人展として同じ会場にて開催されており、本展はその第二弾ということになります。
 「 風景を科学の面からも見ることで、一見全く異なるように思える芸術と科学が繋がっていることに気がつくきっかけとなれば。」 (本展企画・佐藤卓氏)

 写真に添えられた科学的なアプローチのキャプションの他、例えば象の群れの写真にセイロンゾウの頭骨を添えて展示するといった形式。風景写真を楽しんでから、さらに研究者の解説を読むことで、また違った「景色」が見えてきます。

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 屋久島と屋久島の花崗岩。屋久島は今から約1,500万年前に花崗岩質マグマの上昇により隆起して島になりました。花崗岩でできた島という、世界的にも特異な地質であるということです。屋久島花崗岩は最大で十数センチに達するような板状の正長石巨晶が特徴となります。

「触れる地球」

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 会場奥、「触れる地球」の展示。展示写真の撮影された地域を地球儀の形で見ることで、従来の平面の地図よりも感覚的、直感的な理解が可能です。展示を担当された竹村眞一氏は、この仕組みがさらにVR等の技術と繋がり、バージョンアップしていくことで地球全体が「生きた博物館」となるきっかけとなると語りました。

展覧会の写真集は地下1階ミュージアムショップで販売

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 美術史家・伊藤俊治氏による特別寄稿を掲載した展覧会の写真集。地下1階ミュージアムショップで販売。定価:7,200円+税、発行は株式会社美術出版社。

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企画展詳細

  • 開催期間: 2019年9月10日(火)~2019年12月1日(日)
  • 会場: 国立科学博物館日本館1階企画展示室(東京都台東区上野公園7-20)
  • 開館時間: 午前9時~午後5時
    • ※金曜・土曜日、11月3日(日)は午後8時まで
    • ※10月31日(木)、11月4日(月・祝)は午後6時まで
    • ※入館は各閉館時刻の30分前まで
  • 休館日:9月17日(火)、24日(火)、30日(月)、10月15日(火)、21日(月)、28日(月)、11月5日(火)、11日(月)、18日(月)、25日(月)
  • 入館料:一般・大学生: 620円(団体: 500円) ※2019年10月1日より一般・大学生630円(団体510円)
    • 高校生以下および65歳以上: 無料
    • (常設展示入館料のみでご覧いただけます)
  • 主催: 国立科学博物館
  • 企画: 佐藤 卓
  • 写真: 上田 義彦
  • URL: http://www.kahaku.go.jp/event/2019/09landscape/