特別展「植物 地球を支える仲間たち」が開幕!
国立科学博物館の特別展「植物 地球を支える仲間たち」が、2021年7月10日(土)に開幕。この記事では展覧会の見所をまとめています。会場レポートはこちらの記事へ
同館では、2015年の「ワイン展」の他、「チョコレート展」(2012年)、「菌類のふしぎ」(2008年)、そして2007年の「花」などの特別展が開催されて来ました。本展は、植物を総合的に紹介するこれまでにない大規模な展覧会ということで、最新の研究成果をもとにして、標本や模型、映像、インスタレーション展示などを活用、その驚きの実像や魅力に迫るというものです。
展覧会のみどころまとめ

光合成という、太陽エネルギーから有機物を作り出す能力を手に入れたことで、地球上の生命にとって、なくてはならない存在となった植物。植物は、私たち人間と同じ原始的な生命体から進化し、今や地球上の多種多様な環境に生育する最も成功している生物群と言えます。また、新緑や紅葉、四季折々の花など、私たちの目を楽しませ、気持ちをリラックスさせてくれる身近な存在です。そのような植物には、ともすれば動物とちがい、じっとしていて動きのないイメージがあります。しかし、最先端の科学研究によって、私たちの想像を超えるアクティブな生態が明らかになってきたということです。
1.これまでにない規模の植物展!
最大から最小まで、古代から現代まで、身近なものからめずらしいものまで、さまざまな観点から植物を全般的に網羅した、これまでにない大規模な展覧会です。
2.楽しい植物ワンダーランドでわくわく体験!
多数の実寸大模型や、光合成の仕組みを体験できるインスタレーション展示、また遺伝子の作用を歌詞にした歌などによって、植物の世界を楽しく学べます。
3.植物の知られざる謎に迫る!
人間と植物はじつは同じ構造?じっとしているように見えて、じつはアクティブ?身近な存在でもある植物のミステリアスな姿を解き明かします。めずらしい植物も多数紹介します。
音声ガイド担当は俳優の滝藤賢一さん!

音声ガイドナビゲーターは、NHK Eテレ「趣味の園芸」などに出演、芸能界屈指の植物好きの一面をもつ俳優の滝藤賢一さんが担当。自宅のバルコニーで約300鉢の植物を育成されるほどの植物愛好家である滝藤さんが、植物の驚くべき生態や植物の謎をより詳しくご案内し、私たちの想像を超える植物の魅力を展示とともにたっぷりとお届け。
展覧会構成と内容の一部を紹介
第1章 植物という生き方
おどろきのライフスタイル大解剖!
人間を含む動物は五感をもっていると言われていますが、植物も、自分の周囲を常に感じながら生きています。光がどの方向から来るのか、寒いのか暑いのか、雨が降っているのか風が吹いているのかなどを感知するほか、隣の植物がどんな状況なのかも知ることができ、自分が虫に食べられたら、その虫をやっつけるために虫の天敵に応援を求めることもできます。本章では人間や動物とほとんどちがいがないか、それ以上に敏感であるとされている植物のこれらの感覚が紹介されます。
第2章 地球にはどんな植物が存在しているか?
大きい?そっくり?なぜそんな姿に…・。
地球上には、恐竜やクジラなどよりもはるかに大きな植物もいれば、拡大鏡でやっと観察できる植物もいます。人間は百年も生きたら長生きと言われますが、植物には数百年、数千年も生きているものが多数います。本章では、地球上に生育している極めて多種多様な植物にはどのようなものがいるのか、それらはどこに生育し、どこが同じで、何がちがうのかを考えます。
世界最大の花 ラフレシア
会場で実寸大模型も多数展示されます。世界最大の花・ラフレシアの実寸最大模型の直径はなんと80cm!

巨大な「花」 ショクダイオオコンニャク

他にも、世界最大級の種子・「オオミヤシ」、コウルテリマツの巨大な松ぼっくり、長さが36cmもある世界最大級のくだもの・ジャックフルーツの液浸標本のほか、まるで石ころのような姿の多肉植物アヴォニア・パピラケアなど、さまざまな植物が紹介されます。
第3章 植物の形と成長
「植物らしさ」ってなんだろう?
私たちのまわりで生育している植物の姿・形は、人間や動物とはまったくちがっています。しかし、その形成の仕組みを調べると、似ているところもたくさんあります。さらに植物同士で比べてみると、
その形や成長の仕方はよく似ています。本章では、私たちが植物らしいと感じる形はどのようなもので、それがどのようにできあがっているのかを、観察していきます。
モミジバフウ

土の中の“ 神秘”。モミジバフウの地下構造を探ります。
青いキク

世界で初めて開発に成功した「青いキク」の標本を見ることができます。
遺伝子の仕組みを歌で覚えよう!
花を形づくる遺伝子の法則「ABCモデル」。どの遺伝子が作用するとどのような形が生まれるのか、楽しくリズミカルな歌詞やメロディーとともに歌で覚えるコーナーも。


第4章 植物はどのように進化してきたか? ようこそ古代の植物ワールドへ。
今の植物は、元々異なる生物が合体してできあがった生命体です。今からおよそ5億年程前に、淡水から陸上に進出し、誕生しました。単純だった初期の植物から、やがて太く大きくなるものや種子を作るものが現れ、地上を緑でおおっていきました。植物がこれほどまでに多様化した理由として、地球上のさまざまな環境に適応したことに加え、昆虫や動物とのかかわりが考えられています。本章では、そのような植物の進化の道のりをたどります。
3億年前の樹木
3億年前の樹木 レピドデンドロンの幹。小葉植物の大木の化石です。また、イチョウなど現存する植物の化石も登場するということです。

第5章 本当は怖い植物たち 生きるための静かな闘い
地球上のすべての生物は、生きていくために、時には戦い、時には助け合って暮らしています。昆虫など動物の多くは植物を食べて生きていかざるを得ませんが、植物は食べられないように毒を体にためたり、動物が近づけないように刺を生やしたりします。本章では、さまざまな生物が暮らす環境のなかで植物がどうやって生きているのかを紹介します。
この章では、巨大な食中植物の模型も登場!
ウツボカズラ

ハエトリソウ

第6章 生命の源、光合成 私たちはみんな植物に養われている
地球上の生命を支えているのは、植物が行う光合成です。植物だけが太陽エネルギーを有機物に変えて、生きるための栄養を必要とするその他の生物を養うことができるのです。今から1万年以上前に人間が始めた農耕は、この植物が光を使う仕組みを利用することで成り立っています。本章では、知っているようで知らない光合成の仕組みを紐解きます。
アオミドロとミカヅキモ


開催概要
特別展「植物」の会期は2021年7月10日(土)~9月20日(月・祝)。入場料は一般・大学生:1,900円(税込)、小・中・高校生:600円(税込)。 ※ 会期等は変更になる場合があります。また、予約方法等の詳細は公式サイトをご覧ください。
- 展覧会名:特別展「植物 地球を支える仲間たち」
- 会期:2021年7月10日(土)~9月20日(月・祝)
- 開館時間:9時~17時(ただし入場は16時30分まで)
- 休館日:7月12日(月)、9月6日(月)
- 会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
- 入場料:一般・大学生1,900円小・中・高校生600円(いずれも税込)
- ※未就学児は無料。障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。
- 要オンラインによる事前予約(日時指定)
- 主催:国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
- お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル) 03-5814-9898(FAX)
展覧会公式サイト
公式Twitter
リソース
- 特別展「植物 地球を支える仲間たち」広報事務局さま、同プレスリリース