《動画追加》特別展「植物 地球を支える仲間たち」会場レポート(国立科学博物館)

2021年7月10日

投稿:ミュージアムズ編集部
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特別展「植物 地球を支える仲間たち」が開幕!

国立科学博物館(東京・上野公園)の特別展「植物 地球を支える仲間たち」が、2021年7月10日(土)に開幕しました。本展は植物をテーマにした大規模展覧会。世界中のさまざまな植物の紹介から最新の研究成果まで、学びながら楽しめる、夏休みにピッタリな展覧会です。編集部では開幕に先だって国立科学博物館にて開催された報道内覧会を先行取材。一足早く会場の様子と本展の魅力をお伝えします。

特別展「植物」会場 報道内覧会にて編集部撮影
展示されているショクダイオオコンニャクの模型は、高さは実に2.72m!

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国立科学博物館さまご提供の画像を多数使って、展覧会の構成やみどこをまとめた記事を別途掲載しています。まだの方はこちらもどうぞ。

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《展覧会みどころ》特別展「植物」 夏休みの自由研究にも!(国立科学博物館)

特別展「植物 地球を支える仲間たち」(国立科学博物館)。本展の見所を多数の写真とともに徹底紹介。最新の研究成果をもとに、標本や模型、映像、インスタレーション展示などを活用、植物を総合的に紹介するこれまでにない大規模な展覧会にご期待を。会場レポートと合わせて読めばこの特別展の予習は完璧です。
m3press.jp
https://m3press.jp/kahaku-plants-midokoro/

会場動画

https://www.youtube.com/watch?v=eGoRCNp46P4

では会場の展示のようすを抜粋でご紹介していきます!

会場レポート

チューリップの拡大模型

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世界最大の花・ラフレシア

東南アジアに約20種類が知られているというラフレシア。最大の花として知られるスマトラ島に分布する「ラフレシア・トゥアンムダエ」は直径約111cmもの花を持ちます。ラフレシアは他の植物に寄生して養分を吸収する「寄生植物」のため、光合成が必要ありません。そのため、茎や葉がなく寄生した木の幹から直接花を咲かせるというインパクトのある姿をしています。

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ラフレシア(模型実物大) 京都府立植物園 蔵 編集部撮影

水中や樹上の植物など

遺伝子組み換え植物のコーナーでは青いキクや青いバラも

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食虫植物

ハエトリソウは30秒以内に2回触ると葉を閉じますが、1回だけとか30秒以上たってから2回目を触っても閉じません。これは30秒間は刺激を記憶しているためです。この記憶の仕組みは動物の神経同様にカルシウムイオンによって担われているということです。

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ハエトリソウ(約100倍模型図)

こちらはモウセンゴケの約200倍拡大模型。触毛の先にある水玉から出る消化液につかまった虫は半日ほどで溶けてしまい、消化されない殻だけが残るのだそうです。虫の視点から見るとこのサイズ…と考えるとなかなか怖いです。

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モウセンゴケ(200倍拡大模型)

ムラサキウツボカズラは実際の生育のイメージも再現展示

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危険な植物集合の「植物の《表》と《裏》」のコーナー

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花言葉は「復讐」!!!!!

古来からの日本の「毒」と言えば、このトリカブトですが、この毒の成分を多く含む根っこの部分は生薬にも使用されます。トリカブトが持つアコニチンと呼ばれる協力な毒は、動物などから食べられるのを防ぐことに一役勝っています。ところで、トリカブトの花言葉はなんとそのまんま「復讐」。怖すぎる!

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ライオンすら倒す!?ライオンゴロシの果実

ライオンゴロシは南アフリカの乾燥地の砂地に生育する植物。果実には四方に長く伸びるトゲがあり、あらに先端には太く短い「かえし」がついています。この果実がライオンの口に付着し、口が閉じて餓死してしまっとという伝聞からこの名前がついているそうです。

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このコーナーの拡大模型は本物の果実をCTスキャンしたデータを3Dプリンタで製作、塗装したものです。CTによるデータのため内部の種子配列まで完全再現しているということです。

参加型インスタレーション展示も

参加型インスタレーション展示「光合成FACTORY ~いのちの実をつくるのは君だ!~」では光合成のメカニズムを体験できます。

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非接触仕様の操作。

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このインスタレーションはスマホ向けブラウザゲーム版も開発したということで、家でも遊べます。

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最後のコーナーでは究極の地産地消「植物工場」を紹介

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太陽光ではなくLEDや蛍光灯の光を使い、屋内で植物を育てる「閉鎖型植物工場」の技術の紹介も。農薬を使わずに安心安全に野菜を作れる他、都市のビル内で栽培できるため輸送コストがほとんどかからない究極的な地産地消が可能となります。写真の二段目の赤いリーフレタスは、実は上の段の緑のものと同じ種類。青と赤の光だけで育てたリーフレタスは白いLED育てたものに比べると、光を無駄なく吸収できるため、反射しないためケース内の葉は暗く見えます。

充実の特設ミュージアムショップもお見逃しなく!

例によって、特設ミュージアムショップもここだけで半日いられそうな充実ぶり。大ボリュームの特別展図録は購入必須。他にもおもしろ可愛いいグッズがところせましと並びます。特別展グッズについては後日別記事にて特集します。

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売り切れ必須!ヒグチユウコとのコラボグッズも

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混雑の予想など

本展は日時指定制を採用しているため、コロナ禍の前のように極端に会場が混雑することは考えにくいですが、他館の展覧会では、会期中に予約枠がすべて終了=チケット売り切れという現象も起きているようです。会期終盤は予約が取りづらくなるため、会期序盤や平日の来場をおすすめ。なるべく早めに予定を立ててしまうのが吉かと。

開催概要:特別展「植物 地球を支える仲間たち」

特別展「植物」の会期は2021年7月10日(土)~9月20日(月・祝)。入場料は一般・大学生:1,900円(税込)、小・中・高校生:600円(税込)。 ※ 会期等は変更になる場合があります。また、予約方法等の詳細は公式サイトをご覧ください。

  • 展覧会名:特別展「植物 地球を支える仲間たち」
  • 会期:2021年7月10日(土)~9月20日(月・祝)
  • 開館時間:9時~17時(ただし入場は16時30分まで)
  • 休館日:7月12日(月)、9月6日(月)
  • 会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
  • 入場料:一般・大学生1,900円小・中・高校生600円(いずれも税込)
    • ※未就学児は無料。障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。
    • 要オンラインによる事前予約(日時指定)
  • 主催:国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
  • お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル) 03-5814-9898(FAX)

展覧会公式サイト

https://plants.exhibit.jp/

取材ご協力

  • 国立科学博物館さま、特別展「植物 地球を支える仲間たち」広報事務局さま
  • 記事中の写真はすべて編集部撮影によるもの

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《見所紹介》特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」(国立科学博物館)

特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」(国立科学博物館)のみどころを紹介。イギリス・大英博物館の研究成果を紹介する本展では、6体のミイラが選りすぐられ、CTスキャンを用いた画像解析によって、外側からはうかがい知ることのできないミイラの謎を解き明かすほか、古代エジプト人の生き様や文化が紹介されます。来日する6体のミイラについて写真とともに先行紹介する記事となります。
m3press.jp
https://m3press.jp/daiei-miira-exhibit/