天下五剣のひとつ、門外不出の太刀「童子切」も出陣
春日大社 国宝殿(奈良)にて、2019年12月28日(土)より「最古の日本刀の世界 安綱(やすつな)・古伯耆(こほうき)展」が開催中です。源頼光が酒呑童子退治に用いたとされる太刀「童子切」(国宝)で名高い刀工、伯耆国安綱一門。本展は、国宝・重要文化財に指定された、そのほぼすべての刀剣が、900年の時空を超えて、春日大社 国宝殿に集結する、刀剣史上初の画期的な展覧会となります。
また、直刀から日本刀への変化の過程を示す、国宝・黒漆平文飾剣など、平安時代の日本刀成立期作品をあわせて展示、その成立の謎に迫る他、刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とのコラボレーション企画にも注目が集まります。編集部では開幕前日に行われたプレス向け内覧会を取材しました。
- 取材ご協力:春日大社さま
- 記事中の写真はすべて2019年12月27日のプレス内覧会にて編集部撮影によるもの。記事中の写真、文章について引用および転載を禁止いたします。
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展覧会のみどころについてはこちらの記事でまとめています。

[後期展示開始]国宝指定の古伯耆物を同時公開「最古の日本刀の世界 安綱(やすつな)・古伯耆(こほうき)展」 – M3PRESS
会場レポート
会場である国宝殿は春日大社の境内にあります。駅から歩いた感じだと、JR奈良から近鉄奈良間は徒歩約10分、さらに近鉄奈良駅から春日神社まで徒歩で約30分というところでしょうか。バスの場合は、近鉄奈良駅から奈良交通バス「春日大社本殿行」に乗車、約11~15分で終点の「春日大社本殿」で下車すぐ。

- 春日大社 国宝殿 入り口
「刀剣乱舞-ONLINE-」の刀剣男士がお出迎え

1階の鼉太鼓(だだいこ)ホールでは「太刀 銘 有成(石切丸)」「太刀 銘 安綱(鬼切丸)」 「太刀 無銘(薄緑丸)」の刀剣が展示されることを記念し、刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の刀剣男士「石切丸」「髭切」「膝丸(特二)」の等身大パネルが。このエリアは一般の方も撮影OKです。
公式Twitterより
こちらは公式Twitterより。混雑状況についても発信されていて、初日である12月28日は開館直後から60分待ちとの情報も。
会場の様子
展示は 鼉太鼓(だだいこ)ホールより階段を上がった2階。第一会場で6世紀の直刀から平安後期の刀剣の歴史を見た後、第ニ会場で安綱の刀剣とその世界を堪能するという構成です。
春日大社宝庫天井裏より発見!展覧会はじまりの太刀

- 重要美術品 太刀無銘(古伯耆) 黒漆山金造太刀拵 [刀身] 平安時代後期~鎌倉時代後期 [拵] 南北朝時代 春日大社 蔵 通期展示
重要美術品 「太刀無銘(古伯耆) 黒漆山金造太刀拵」 は戦前に宝庫天井裏から錆びた状態で発見されました。平成29年に研磨したことで古伯耆の太刀として存在が確認され、注目を集めたことが本展覧会開催のきっかけとなりました。
酒天童子を斬った刀 、 天下五剣「童子切(どうじぎり)」
源頼光が酒呑童子(しゅてんどうじ)退治に用いたとされる伝説の太刀、国宝「太刀 銘 安綱 (号 童子切)」。刀としての完成度も非常に高く、源頼光から足利将軍家を経て、豊臣秀吉、徳川家康・秀忠が所持し、越前藩主の松平忠直に贈られた後、津山藩(岡山県)の松平家に伝わったものです。


- [上・下] 国宝「太刀 銘 安綱 (号 童子切)」 平安時代後期 東京国立博物館 蔵 通期展示
首を斬り落とされた酒呑童子は毒を吐きながら襲いかかりましたが、源頼光は兜を二重に被ることでこれを阻止したということです。絵巻の中で、頼光が振り上げているのが「童子切」と言われています。

- 酒天童子絵巻 江戸時代前記 國學院大學図書館 蔵 通期展示
もう1本の鬼を斬った剣、「鬼切丸」
数々の伝説を残す安綱の代表作で、刀剣男士と同じく「髭切」の別名を持ちます。源氏に第第伝わる宝刀で、源頼光からこの太刀を借りた渡辺綱が鬼を退治したことから「鬼切丸」の名が付されたといわれています。

- 重要文化財「太刀 銘 安綱(号 鬼切丸 別名 髭切)」 平安時代後期 京都府・北野天満宮 蔵 前期展示( 12 月 28 日~ 1 月 26 日)
義経の刀
刀剣男士「膝丸(特二)」のモチーフとなった「太刀 無銘(薄緑丸)」。源義経が箱根神社に奉納し、「曽我物語」で知られる曽我兄弟の仇討ちにも使われたといいます。

- 太刀 無銘(号 薄緑丸) 平安時代後期 箱根神社 蔵 通期展示
特設ショップ
トートバッグ(全2種、各990円税込)、の他、ポストカード、手ぬぐい、太刀の形のペーパーナイフなど、ここでしか手に入らないオリジナルグッズは、会場の入り口付近の特設ショップで購入できます。

「最古の日本刀の世界 安綱・古伯耆展」 開催概要
最古の日本刀の世界 安綱・古伯耆展」は春日大社 国宝殿にて2020年3月1日(日)まで開催。前期[12月28日(土)~1月26日(日)]、後期[2月1日(土)~3月1日(日)]で展示入替があります。また、2020年1月27日(月)~1月31日(金)は休館となりますのでご注意を。
項目 | 内容 |
---|---|
開催期間 | 2019年12月28日(土)~2020年3月1日(日) ※下記日程で展示替 – 前期:12月28日(土)~1月26日(日) – 後期:2月1日(土)~3月1日(日) |
休館日 | 2020年1月27日(月)~1月31日(金) |
開催場所 | 春日大社国宝殿 〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160 |
開館時間 | 10:00~17:00(入館終了16:30) |
拝観料 | 一般1,000(800)円、大学高校生600円、中小学生400円 ※()内は20人以上の団体料金。 |
お問合せ | 春日大社国宝殿 TEL:0742-22-7788 http://www.kasugataisha.or.jp |
主催 | 春日大社、読売新聞社 |
特別協力 | 鳥取県、名刀「古伯耆物」日本刀顕彰連合 |