[終了]特別夜間開館も決定「ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか」

2018年8月24日

投稿:M3PRESS編集部

会期終了につき、一部画像の表示を


 特別夜間開館の実施について追加
高橋一生さんのインタビューを追加
プレス内覧会取材でのコンテンツを追加
紹介記事の初稿を公開

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大人気のルーヴル美術館展を楽しむラストチャンス!

国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか」、先日来場者数は30万人を突破したとのことです。好評につき、8月27日(月)週は、毎日夜9時まで開館の特別夜間開館が実施されることになりました。(休館日の8月28日(火)を除く、9月2日(日)まで)。この記事では同展の見所や感想のレポートの他、展示作品の一部を画像付きで紹介しています。同展を楽しむラストチャンス、ぜひ参考にしていただければと思います。
※なお、展覧会会期は9月3日(月)までとなります。

特別夜間開館の概要

  • 毎週金・土と8月27日(月)、8月29日(水)~9月2日(日)は、毎日21時まで開館
  • 8/28(火)は休館
  • 入場は閉館時間の30分前まで
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展覧会のみどころ〜「ルーヴルの顔」が来日

ルーヴルが誇る肖像画の至宝《美しきナーニ》の27年ぶりの来日、また、若き日のナポレオンを描いた肖像画《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》、メッサーシュミット《性格表現の頭部像》など、文字通り「ルーヴルの顔」を一度に観覧することができる貴重な機会となります。

年間750万人もの人が来館するルーヴル美術館。日本テレビとルーヴル美術館は2018年より4年に1度、計5回、日本で大規模な「ルーヴル美術館展」を開催することに合意しました。日仏友好160周年にあたる本年、その第一弾が日本テレビ開局65周年記念事業として開催される本展となります。今回の展覧会は「肖像芸術」をテーマとし、ルーヴル美術館の全8部門より代表的な肖像作品が集められました。古代から19世紀まで実に3600年に渡る、極めて広範囲の作品を対象とし、それら作品を通じて肖像が担ってきた社会的役割や表現上の特質を浮き彫りにしていきます。

報道内覧会に多数のメディアが

国立新美術館 主任研究員 宮島綾子氏
ルーヴル美術館 学芸員 リュドヴィック・ロジエ氏
ルーヴル美術館 学芸員 コーム・ファーブル氏
報道内覧会にて編集部撮影

開催に先立って5月29日は報道向けの内覧会が行われ、多数のメディアが集まり、本展覧会の注目度の高さを物語っています。記者の経験則からいうと人気のある展覧会は後半になればなるほど混雑する傾向にあるので早めに観に行くのが混雑回避のコツかと思います。

音声ガイドは高橋一生さん!

俳優・高橋一生さん

“展覧会の顔”ともいうべき、オフィシャルサポーター・音声ガイドを、様々な役を演じる俳優・高橋一生さんが担当しています。国立新美術館に高橋一生さんが来館された様子をレポートします。

[Q]初めて国立新美術館での展示構成をご覧になっての感想は?

作品群はほとんどパリのルーヴル美術館で拝見しましたが、展示する場所によって雰囲気も変わるので、また本家とは違うところで観られることは面白いと思います。

[Q]ルーヴル美術館と国立新美術館で改めて見てイメージが違った作品はありますか?

ルーヴル美術館は空間すべてが額縁のようで、感じ方としては良くも悪くもすっと入ってきました。国立新美術館のようなモダンな建物の中で展示されていると、絵画にしてもナポレオンの彫像にしてもディテールが際立ち、見易くなっている印象を持ちました。
作品では《美しきナーニ》は特にイメージが違いました。ルーヴル美術館ではたくさんの絵画と一緒に飾られていて、《モナ・リザ》も同じ空間に展示されているんですが、本展覧会のように一枚で“どん”と展示されていると、絵画との距離感を広く取ってみることができます。色々な見方を個々人でできるのではないかと思います。またナポレオンのデスマスクのように通常ルーヴル美術館では展示されていない作品も、今回展示されていることも不思議に感じます。

[Q]今年2月の記者発表会で気になる作品として挙げられていたメッサーシュミット《性格表現の頭像》の印象は、ルーヴル美術館と国立新美術館で違いましたか?

ルーヴル美術館では、部屋の真ん中でアクリルケースに入っていたので、後ろに回り込み見ることができましたが、国立新美術館は背景に壁があります。色もグレーで何か示唆的というか。ですが許される限り横に回り込んで見て頂きたいです(笑)。美術作品の展示というのは、過度な演出にならないように、繊細な作業を要するんだな、と思いました。

[Q]《美しきナーニ》をどうご覧になりましたか?

当時、絵画作品は肖像作品以上に政治的に使われていたり、意味を持たされたり、新聞の見出しになるようなインパクトを与えるものでした。そういう使われ方に鑑みると、彼女の肖像というものは彼女が望んだものではないかもしれません。誰がモデルか分かっていないようです。理想の女性像を、誰かをモデルにして描いたのでは、と言われています。当時の様式や美容法もとても興味深いです。どのようにあの金髪にしたのか。髪を日光にあてて焼いたのでしょうけれど、その割には肌が白い。当時の女性の美しさを詰め込んだのでは、とも思います。

俳優・高橋一生さん

[Q]展示されている作品から役者として受けたインスピレーションはありますか?

表情を敢えて前面に出すことが、表現として正しいことか、元々疑問に思っていましたが、改めて「これでいいんだ」と感じました。何にしても、「分かりやすいもの」や「ガイドがあるもの」の方が重宝されるとは思いますが、絵画や彫像にしても、無形の僕らがやっていること(芝居など)も、何か表現するにあたっては、伝わっているか、分かって貰えただろうかといった不安が きっとあると思います。それに対して、僕自身が期待しなくなったというか、どう捉えてもらっても構わないかな、という感覚になりました。そうしないと、初期衝動でないものを外に出してしまうかもしれない。たとえ間違って伝わってしまっても初期衝動で出してしまったものの方が伝わりやすいのかもしれません。
《モナ・リザ》や《美しきナーニ》を見ても、一体どういう想いだったのか、見ている側としても、自分から出す側としても、共有を前提としなくなりました。想像の可動域は常に広くとっておきたい。自分が表出するときも受け取るときも、どういう感覚だったか、答えを一つに絞らないようにしています。時間が経ってから気づくこともあるでしょうし。
また、絵画は静物ですが、一部分の切り取りだからこそ雄弁に語られているものもあります。何にフォーカスを当てたいか、その裏に隠されたものが気になってしまいます。《マラーの死》も、あのような美しい死に方ではなかったでしょうが、革命の英雄として祀り上げるためにあのように描かれたのでしょう。その絵画に隠された悲しみや革命家としての死に方以前に、この人は本当はどういう人だったのかと思いを巡らせることができます。一つの切り取りだけで色々なものが感じられるということは、翻って自分のお芝居に当てはめると、一部分の切り取りでも伝わるものは伝わると信じてやっていくしかない、と思います。

[Q]音声ガイドで改めて注目してほしいポイントはありますか?

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俳優・高橋一生さん

最後のボーナストラックで、音声ガイド・オフィシャルサポーターのことについて、自分が感じたままのことをお話していますので、見終わった後に、裏話など楽しんでもらえれば嬉しいです。作品についてはあくまでガイドとしてフラットに話していますが、個人の感想は僕の感覚で自由に喋らせて頂きました。

音声ガイド

オフィシャルサポーターの高橋一生さんが、モデルや芸術家にまつわるエピソードをたっぷり紹介。肖像に込められた様々な人の思いをひも解きます。ポーズや装いにも注目!その意味や、肖像の見方を分かりやすく解説します。

【所要時間】 約35分(作品解説21点+ボーナストラック2点)
【当日貸出価格】 1台550円(税込)
【ガイド制作】(株)アコースティガイド・ジャパン

「ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか」 開催概要

項目内容
展覧会名ルーヴル美術館展 肖像芸術
 ――人は人をどう表現してきたか
会期2018年5月30日(水)〜9月3日(月)
休館日毎週火曜日休館
ただし8/14(火)は開館
開館時間10:00-18:00
金・土曜日は、5・6月は20:00まで、
7・8・9月は21:00まで
入場は閉館時間の30分前まで
主催国立新美術館
ルーヴル美術館
日本テレビ放送網
読売新聞社
BS日テレ
後援在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
特別協賛野村證券
協賛大成建設
大日本印刷
損保ジャパン日本興亜
協力エールフランス航空/KLMオランダ航空
日本通運
JR東日本
CS日テレ
ラジオ日本
J-WAVE
文化放送
TOKYO MX
テレビ神奈川
企画協力NTVヨーロッパ
オフィシャルHP国立新美術館ホームページ
http://www.nact.jp/
展覧会ホームページ
http://www.ntv.co.jp/louvre2018/

観覧料金

−−当日団体
一 般1,600円1,400円
大学生1,200円1,000円
高校生800円600円
  • 中学生以下無料
  • 団体券は国立新美術館のみ販売(団体料金の適用は20名以上)
  • 障害者手帳をご持参の方(付き添いの方1名含)は無料

国立新美術館へのアクセス

  • 国立新美術館 企画展示室1E
  • 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
  • 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 6出口(美術館直結)

次のページから展覧会の内容について画像でご紹介していきます。

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会場入口(報道内覧会時・編集部撮影)

「ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか」報道内覧会より

会場の様子

ここでは展示の雰囲気を報道内覧会での取材写真にてお伝えします。(展覧会のお客様は撮影NGとなります。)基本的に美術館で直接観ていただくのがベストなので、展示の様子がわかる程度の写真をアップしてます。また、このページの後で詳しい作品解説を広報画像多数とともに掲載しています。

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《ブルボン公爵夫人、次いでブーローニュおよびオーヴェルニュ伯爵夫人ジャンヌ・ド・ブルボン=ヴァンドーム(1465-1511)》オーヴェルニュ地方、1510-1530年頃
(手前)報道内覧会にて編集部撮影
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ジャック・サラザン《5歳のフランス国王ルイ14世(1638-1715)》 1643年頃
(手前)報道内覧会にて編集部撮影
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ジャン=オーギュスト=ドミニク=アングル《フランス王太子、オルレアン公フェルディナン=フィリップ・ド・ブルボン=オルレアン(1810-1842)の肖像》1842年
報道内覧会にて編集部撮影
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■左側:アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》1812年以降
■右側:アントワーヌ・ジャン・グロ《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》1796年
ともに報道内覧会にて編集部撮影
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ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》 1560年頃
報道内覧会にて編集部撮影

《美しきナーニ》には、ルーブル美術館では《モナ・リザ》と同じ部屋で展示されているそうです。また通常はガラスケースに入れて展示されているとのことですが、今回の展示ではそれがなく近くで鑑賞することが可能となっています。

物販コーナー

展覧会場出口に物販コーナーがあり、限定グッズが販売されています。こちらはショップのみの利用も可能ということです。

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物販コーナー 編集部撮影
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物販コーナー 編集部撮影

次のページから展覧会の内容について画像でご紹介していきます。

展示会の構成と内容について

展示全体は3章構成で、前後にプロローグとエピローグを挟んだ全5セクション構成、およそ110点の肖像芸術の傑作を楽しむことが出来ます。

プロローグ

最も長い歴史を持つ芸術ジャンルである肖像。プロローグでは肖像の起源に位置づけられる、古代エジプトの2つの異なるタイプのマスクが紹介されます。あらゆる肖像作品に通底する「理想化・様式化」と「写実性・肖似性」という相反する2つの要素を象徴する2つの作品から展覧会がスタートします。

第1章 記憶のための肖像

「人の存在を記憶する」という肖像の最も古い役割に焦点を当てながら、神々に捧げるため、あるいは子孫に残すために制作された、古代から19世紀までの肖像作例を紹介。

(キリストの殉教画に出てくる、だらりと腕を垂らすポーズによりマラーをフランス革命の殉教者として表現しています)

第2章 権力の肖像

肖像芸術野が担ってきたもう一つの役割「権力の顕示」をテーマに、ハンムラビ王、ナポレオンといった絶対の権力を持った存在を表現した作品を通じ、権力者の肖像表現の特質を浮かび上がらせます。

第3章 コードとモード

ルネサンス期以降のヨーロッパでは、ブルジョア階級の台頭に伴い、肖像のモデルの裾野は拡大していきます。こうした肖像は古代より培われた上流階級の肖像表現のコード(決まった表現の仕方、表現上のルール)を踏襲しつつ、各時代に特有のモード(流行)を反映しながら多様な展開を遂げていきました。

エピローグ

ただ一人の人物に似ていることーー「肖似性」を本来の特性とする肖像は、多様性と相容れないように思われます。しかしルネサンスから20世紀のシュルレアリズムに至るまで、多様性を帯びた奇想が最も華々しく展開された芸術ジャンルは、肖像でした。

展覧会の締めくくりとして、16世紀後半に活躍した奇才の画家、アルチンボルドの「四季」連作に属する2点<<春>>と<<秋>>が紹介されます。見る人の視線によって多義的イメージに変容する肖像の醍醐味を、アルチンボルドの作品を通して堪能出来ます。

「ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか」 開催概要

項目内容
展覧会名ルーヴル美術館展 肖像芸術
 ――人は人をどう表現してきたか
会期2018年5月30日(水)〜9月3日(月)
休館日毎週火曜日休館
ただし8/14(火)は開館
開館時間10:00-18:00
金・土曜日は、5・6月は20:00まで、
7・8・9月は21:00まで
入場は閉館時間の30分前まで
主催国立新美術館
ルーヴル美術館
日本テレビ放送網
読売新聞社
BS日テレ
後援在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
特別協賛野村證券
協賛大成建設
大日本印刷
損保ジャパン日本興亜
協力エールフランス航空/KLMオランダ航空
日本通運
JR東日本
CS日テレ
ラジオ日本
J-WAVE
文化放送
TOKYO MX
テレビ神奈川
企画協力NTVヨーロッパ
オフィシャルHP国立新美術館ホームページ
http://www.nact.jp/
展覧会ホームページ
http://www.ntv.co.jp/louvre2018/