[会期終了]【かなり詳しい】特別展「名作誕生−つながる日本美術」4月13日より東京国立博物館 平成館で開催

2018年2月6日

投稿:M3PRESS編集部

※会期終了にともない、一部画像の掲載を終了しました。

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美の家系図!特別展「名作誕生−つながる日本美術」4月13日より東京国立博物館 平成館で開催

東京国立博物館 平成館(東京・上野公園)にて特別展「名作誕生−つながる日本美術」が4月13日(金)より開催されます。この展覧会は日本美術史上の名作たちを一堂に展示し、名作同士、巨匠たち同士のつながりを明らかにしていくというものです。この特別展「名作誕生 つながる日本美術」をプレスリリース資料と広報用画像をふんだんに使用し、その展示内容と魅力をご紹介していきたいと思います!

「名作誕生 つながる日本美術」開催概要

項目 内容
展覧会名 創刊記念『國華』130周年 朝日新聞140周年
特別展「名作誕生−つながる日本美術」
会場 東京国立博物館 平成館
会期 2018年4月13日(金)〜5月27日(日)
前期展示:4/13〜5/6
後期展示:5/8〜5/27
時間 午前9時30分~午後5時
※金曜・土曜は午後9時、日曜・祝日は午後6時まで
※入館は閉館の 30 分前まで
休館日 月曜日
※ただし4月30日(月・休)は開館
主催 東京国立博物館
國華社
朝日新聞社
テレビ朝日
BS朝日
協賛 竹中工務店
凸版印刷
三菱商事
展覧会公式サイト http://meisaku2018.jp/
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
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観覧料金

観覧料(税込) 当日券 前売券 団体
一般 1,600円 1,400円 1,300円
大学生 1,200円 1,000円 900円
高校生 900円 700円 600円
  • 中学生以下無料
  • 団体は 20 名以上
  • 障がい者とその介護者1名は無料
    • (入館の際に障がい者手帳等を要提示)

東京国立博物館 平成館 へのアクセス

  • 〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
  • JR上野駅公園口、鶯谷駅南口より徒歩10 分
  • 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、東京メトロ千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15 分

     

  • 東京国立博物館ウェブサイト http://www.tnm.jp/

名作の「つながり」を楽しむ展覧会

日本美術史上には「名作」と呼ばれる作品が数多く存在します。本展覧会は作品同士の影響関係、共通の社会関係に注目し、「名作」や「巨匠」どうしの「つながり」を明らかにしていきます。会場では地域や時代を越えた数々の名作が12のテーマで紹介、国宝・重要文化財を含む約120件が展示されます。

近年、日本美術の人気はますます高まっています。教科書でおなじみの国宝や普段は公開されていない秘仏などへの関心だけではなく、作家たちの思想やその美術作品が生まれた背景への興味も深まってきました。本展覧会では、日本美術史上の名作たちを一堂に展示し、名作がどのようなつながりで誕生したのか、また巨匠たちが何と(誰と)どのようにつながって名作を生んだのかを、作品を通して明らかにします。日本美術の「入門篇」としても、より深く美術を鑑賞する「ヒント」を見つけるきっかけとしても、楽しんでいただける展示構成です。(プレスリリースより)

展覧会の構成と展示内容のご紹介

展示は4章立て12テーマから構成されます。プレスリリースや広報用画像により、現在わかっている内容をご紹介していきます。
*各章の説明はプレスリリースより抜粋引用しています。

第1章 祈りをつなぐ

古代から中世へ、人々の祈りがつないだ仏像、仏画、説話画の数々を展示し、その規範と名作たる革新性に注目していきます。

1. 一木(いちぼく)の祈り

天平勝宝5年(753)、中国・唐の高僧鑑真とともに渡来した仏師たちは、日本の木材に着目し、一本の木から重量感あふれる仏像を彫り出しました。同時代の中国においても最新の表現だったこの木彫像につらなる仏像は、平安時代前期を通じて数多く造られ、大きな影響を残したのです。

2. 祈る普賢

普賢菩薩像は、『法華経』の記述に基づいて、肌は白く輝き、六牙の白象に乗る姿で表すというおもな決まりがあります。

3. 祖師に祈る

日本に仏教を広めた祖師(そし)たちの生涯は、平安時代以降、障子絵や掛幅などの大画面に盛んに描き継がれ、法要などの場を飾りました。現存最古の祖師絵伝である「聖徳太子絵伝」(東京国立博物館蔵)ほか大画面説話画の名品を通して、絵伝と絵堂がつなぐ祖師への祈りをご覧いただきます。

第2章 巨匠のつながり

第2章では、雪舟、宗達、若冲という3人の「巨匠」に焦点を絞って、代表作が生まれるプロセスに迫ります。

4. 雪舟と中国

雪舟は、同時代の明の花鳥画の特徴を取り入れて、独特の複雑な画面構成を試みました。次世代を代表する絵師・狩野元信(かのうもとのぶ)は、これらをすっきりと整理しました。その流れを、呂紀、雪舟、元信の、大画面の花鳥画でご覧いただきます。

5. 宗達と古典

安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した俵屋宗達(生没年不詳)は、「俵屋」という絵屋を営む町絵師でありながら、『伊勢物語が』や『西行物語』など古典文学を主題とした絵画を多く描きました。ここでは扇絵と絵巻の名作を通して、宗達が学んだもの、吸収したものに着目し、その創作の源を探ります。

6. 若冲と模倣

伊藤若冲(いとうじゃくちゅう、1716〜1800)の作品には、既成の形を再利用して新たな造形を作るという表現上の特徴があります。

若冲はいくつかの鶏の型を何度も繰り返し描きました。晩年の代表作「仙人掌群鶏図襖」(大阪・西福寺蔵)に描かれる鶏は、初期の細密な描写と晩年の水墨画の大胆なデフォルメとを融合した姿であり、一番右の雄鶏の姿は「雪梅雄鶏図」(京都・両足院蔵、)に原型を求めることができます

第3章 古典文学につながる

文学作品から飛び出して連綿と継承された意匠の名品を、『伊勢物語』から「八橋」「蔦細道」「竜田川」、『源氏物語』から「夕顔」「初音」を通してたどります。

7. 伊勢物語

平安時代初期に成立した歌物語である『伊勢物語』からは、燕子花(かきつばた)と橋を表す「八橋」、紅葉に彩られた山道を表す「蔦細道」を取り上げます。

8. 源氏物語

『伊勢物語』に続き平安時代中期に成立した長編物語『源氏物語』からは、垣根に咲く夕顔と御所車を表す「夕顔」と、梅にとまる鶯を表す「初音」を取り上げます。

第4章 つながるモチーフ/イメージ

「山水」「花鳥」「人物」の主題と近代洋画の名作からさまざまなモチーフや型をご覧いただき、人と美術のつながりをご覧いただきます。

9. 山水をつなぐ

湿潤な大気に水墨の濃淡を駆使して描きつがれた「松林」と、あざやかに桜が咲き誇る「吉野山」を通して、名所や風景がいかに描き継がれてきたかをご覧いただきます。

10. 花鳥をつなぐ

季節とともに移ろう身近な花や鳥。そこにはときに人々の心情が投影され、時を超えて愛されてきました。ここでは「蓮」と「雀」に注目し、中国から日本へとモチーフが伝承され、連綿と描き継がれた様相をご紹介します。

11. 人物をつなぐ

男女の間で交わされる視線と、古典文学からの図柄の転用が表す意味に注目して、風俗画や浮世絵の誕生について考えます。

「琴棋書画」という東アジアの教養を同時代風俗で表した「風俗図屛風(彦根屛風)」。交わされる人々の視線と姿態の妙は、「湯女図」や「見返美人図」につながっています。

12. 古今をつなぐ

19世紀に西洋から新しい表現技法が一斉に流入すると、日本美術は大きく変容しました。ここでは大正から昭和にかけて活躍し、写実的画風で知られた洋画家・岸田劉生(1891 〜1929)を取り上げ、東洋絵画に学んで意識的にその伝統につながった様子を、その代表作「道路と土手と塀(切通之写生)」と「野童女」からみていきます。

 

おわりに

日本美術を「点」ではなくて「面」で堪能できる展覧会ということで、非常に期待がもてそうです。また、本展覧会は他の会場への巡回ナシということなので、なおさら見逃せませんね。

(取材協力 東京国立博物館様・特別展「名作誕生―つながる日本美術」広報事務局様)