江戸時代に福井藩で作成・使用された公文書類(藩政資料)や越前松平家福井藩校に伝来した書籍(国書・漢籍)など、1万点を超える資料から構成されるコレクション「松平文庫」。現在、福井県文書館が所蔵するこの「松平文庫」を市民参加とAIによるサポートを通じて解読するプロジェクトが始まりました。

「みんなで翻刻」最新プロジェクト始動 最新のAI技術を使用しながら 古文書解読に参加しよう!

このプロジェクトは国立歴史民俗博物館を中心に開発を進める歴史資料の市民参加型翻刻プラットフォーム「みんなで翻刻」によるもの。「翻刻」とは、くずし字等で書かれている古文書を、一字ずつ現代文字に活字化する作業のことをいいます。
これまでに5,000人の市民の参加により1,400万文字以上の「くずし字」で書かれた歴史資料が解読されてきました。今回新たに始まったプロジェクトでは、福井県文書館(「デジタルアーカイブ福井」)と連携して松平文庫の資料の翻刻に取り組むこととなりました。

「みんなで翻刻」は市民参加型の歴史資料のオンラインでの翻刻プラットフォームで、2017年1月にスタート。2020年には「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2020大賞」に選出されました。AIによる「くずし字」の自動認識機能を搭載し、「くずし字」に慣れない初心者でもAIの支援を受けながら翻刻作業に参加することができます。多数の未翻刻資料が含まれる松平文庫を「みんなで翻刻」上で公開し、市民参加とAIによるサポートを通じて翻刻資料を大幅に増やすことを目的とする本プロジェクトは、歴史研究の基礎資料拡充に加え、地域の歴史に対する市民の親しみと知識の深化が効果として期待されています。