開幕日は7月4日(土)に
開幕が延期となっていた特別展「よみがえる正倉院宝物 ―再現模造にみる天平の技―」(奈良国立博物館)。会期が2020年7月4日(土)- 9月6日(日)に変更となることが6月3日に発表となりました。
現在、同館は臨時休館中ですが、臨時休館についても当面の間、継続となるということです。今後の日程等に関しましては奈良国立博物館、展覧会公式サイトをご確認ください。
- リソース:御大典記念 特別展 「よみがえる正倉院宝物 ─再現模造にみる天平の技─」広報事務局さま
1300年の技が、いまここによみがえる
同展は奈良・東大寺の倉であった正倉院正倉に伝えられた約九千件におよぶ品々、正倉院宝物。本展では、これまでに製作された数百点におよぶ正倉院宝物の再現模造品の中から選りすぐりの約100点が一堂に公開さます。
正倉院宝物は756年に光明皇后が東大寺大仏に献納した、聖武天皇ゆかりの品々を軸とした奈良時代の宝物群、総数は9000件を超えます。古代より東大寺がその管理に携わっていましたが、明治時代に国が管理することになり、戦後は宮内庁正倉院事務局がその任にあたっています。宝物は出土品と違い、人から人に伝えられたものであるため、保存状態がきわめて良好、制作当初の姿を再現する手がかりが多く残されています。

本展はサブタイトルの中で「再現模造」という言葉が使われています。再現模造は「偽物」「紛い物」とは別のもので、原宝物に対しての科学的な調査を行った上、オリジナルと同じ材料と構造、技法で再現するものです。CTスキャンをはじめ現代の最先端の技術での科学的分析手法、さらに現代最高峰の技術を持つ職人が当時の材料を使って作業を行った再現模造品は、10年に一度見れるかどうかの宝物を古代と現代の技術で再度造り上げたものと言えるでしょう。
記者発表会で宮内庁正倉院事務所 所長の西川明彦氏は「模造品という言葉のイメージを払拭するような展覧会」になると述べられました。
出品作品一部
正倉院宝物の本格的な模造製作は、明治時代に奈良で開催された博覧会を機に始まりました。当初、模造製作は修理と一体の事業として取り組まれ、昭和47年(1972)からは、宝物の材料や技法、構造の忠実な再現に重点がおかれるようになります。以来、人間国宝ら伝統技術保持者の熟練の技と、最新の調査・研究成果との融合により、芸術性・学術性の高い優れた再現模造が数多く生み出されてきました。

正倉院事務所蔵

[おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう せ]
正倉院事務所蔵



[こうげばちるのばち(ばとうかいちょうぶぶん)]
正倉院事務所蔵
- 出品作品はすべて再現された模造品となります。また、奈良国立博物館での開催後、全国巡回を予定しています。
開催概要
- 展覧会名:御大典記念 特別展 「よみがえる正倉院宝物 ─再現模造にみる天平の技─」
- 会期:2020年07月04日(土)〜2020年09月06日(日) ※会期中に展示替えがあります。
- 会場:奈良国立博物館
- 問い合わせ:050-5542-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト
最新の情報については公式サイトでご確認ください
