
三省堂さんの辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2017」選考発表会 に行ってきた
12月3日、三省堂が「今年の新語2017」の選考結果を発表しました。このイベント、一過性で消える流行語ではなく、言葉として定着し辞書に残る「新語」を選定するというものです。
2015の「じわる」、2016の「ほぼほぼ」に続く、今年の大賞は果たして?一橋大学講堂で行われた選考発表会を取材してきました。
会場の様子
登壇は、選考委員の小野正弘さん、飯間浩明さん、瀧本多加志さん、そして特別ゲストの水道橋博士さんの4人。
終始、言葉のプロフェッショナルの4人による、楽しいトークに笑いが絶えない中、選考結果がランキングで発表されます。
結論から書いちゃいますが

大賞は流行語大賞と同じく「忖度」。選考委員としても、流行語大賞(ユーキャン)と被ることもあり、差異をどう打ち出すのかという点で議論もあったとのことですが、結局「ユーキャンを忖度しないで」の大賞となりました。
また、流行語ではなくて辞書に載る新しい言葉という切り口での選定のため、その他のランキングについてはなかなか興味深い結果になっています。
個人的には「草」がランクインして辞書に載るということにwwwwwwwwという気持ちになりました。
「今年の新語2017」選考結果

今年に限っては忖度を無視してはランキングが成り立たないと考えた。「空気を読む」ような「察する言葉」の進化系とも言える。(飯間さん)
非常に日本人的な言葉
もともと良い意味だったのに使い方が変わっていった言葉(水道橋博士さん)
水道橋博士さんの場合、たけし軍団に入門した90年代から[殿(たけしさん)のお気持ちを忖度して」などと日常的に使ってきたらしいですwww(6位の草を生やしています)
1位 忖度
2位 インフルエンサー
3位 パワーワード
4位 ○○ロス
5位 フェイクニュース
6位 草
7位 仮想通貨
8位 オフショル
9位 イキる
10位 きゅんきゅん
選外
- 卍
- プレミアムフライデー
- 熱盛
草(www)がランクイン
「草」がランクインしましたwwwww
一過性の流行語ではなくて新語の選定ですので、辞書にのっている言葉に!
このイベントの意義として
言葉の意味や用法に変化が起き、一般化する瞬間を目撃する機会を持つことで、言葉の生い立ちを記録できる(飯間さん)
ということを挙げてらっしゃいましたが、草が市民権を得ることで、将来どこへ進化して行くのか考えるととても面白いです。そういえば(笑)(爆)さらには(火暴)(核爆)とかもありましたよね。
インスタ映えが選外の理由
「インスタ映え」は選外に。
インスタ+映えの複合語であり、辞書としては「既に存在している言葉」なので新語扱いにはできないということです。
なるほどーと思ったのですが、水道橋博士さんによるとインスタ「映え」ならぬ「蝿」という使われ方があるようで、現段階では複合語ですが「イイねを欲しがるインスタ蝿」みたいな使い方に進化、用法の変化が起こることで辞書に載ることがあるかも知れないとのことです。
「空気嫁」とかもそのうちランクインするのかも?
おわりに
口言葉(口語)、書き言葉(文語)に対して、Twitter、Lineだけで使われるような、「打ち言葉」というものがあり、近年はここから新しい流行語や新語が生まれてくることがあるそうです。
選外での「卍」なんかも、「マジ」の進化系「マンジ」とも思えますが、非常に用法が幅広く、現段階では整理することがまだ難しいため、辞書に入れる言葉としてはベスト10に入れられないということでした。
会場ではランキング発表のあと、フリートークのコーナーがあり、実は「全然アリ」のような「全然」を肯定的な文脈で使うことは日本語では古くから行われており、芥川龍之介も「羅生門」で[全然支配されている]と書いている話など、時間いっぱいまで面白くてマニアックな言葉についての話題が「熱盛」されましたw
公式サイトでは、12月4日の10時頃に本日のイベントの選定結果と選評について「かなり踏み込んだ」内容を掲載いただけるとのことです。

こちらも是非チェックを!
読んでいただいてありがとうございました。
ハッピーな一日を!
(取材協力:三省堂さま ありがとうございます!)