- 会期終了にともない、一部の画像の表示を終了しました。
- [左]「クマのプーさん展」展覧会チラシ
- [右]「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、ジェームス・デュボース・コレクション © The Shepard Trust
「クマのプーさん ストーリーテリングナイト 石井桃子のことばの魅力」イベントレポ
Bunkamuraザ・ミュージアム(東京・渋谷)にて開催中の「クマのプーさん展」(会期は2019年4月14日(日)まで)。同展のスペシャルイベント 「クマのプーさん ストーリーテリングナイト 石井桃子のことばの魅力」が、「クマのプーさん」シリーズの翻訳者・石井桃子先生の誕生日でもある3月10日に開催されました。

松岡享子さん(東京子ども図書館名誉理事長 ) による講演
編集部撮影
こちらのイベントは申込み受付から数分で定員にとなったいうことで、会場は「クマのプーさん」が大好きなお客様で満席。
イベントでは前半に東京子ども図書館名誉理事長の松岡享子さんによる講演、後半は、東京子ども図書館理事長の張替惠子さん、お話の語り手の金城節子さんによるストーリーテリングが行われました。
松岡享子さん講演

前半は松岡先生による講演。石井桃子さんの「クマのプーさん」との出会いについて記されているエッセイ「プーと私」より、石井さんが初めて「クマのプーさん」の原書に触れた日、いきなり訳しながら子どもたちに読み始めて、一緒に物語の世界に入って楽しんだことがシリーズ翻訳のきっかけとなったエピソードを紹介されました。
ある意味、特殊な作品?”臨界期”を超えた人でも「プーさん」の物語の世界に入り込む方法
また、松岡先生は「クマのプーさん」はある意味、特殊な本とも言え、ある波長があってそれをキャッチしないと物語の中にすっと入っていけないという特徴があるとも述べられました。松岡先生ご自身が翻訳を手がけられた「クマのバティントン」と同じく、「プー」はもともとクリストファー・ロビンのオモチャから生まれたお話で、クリストファーが3歳~5歳頃の内容です。先生が「クマのプーさん」に出会ったのは大学時代で、新鮮はお話だけども、いまひとつ物語の世界に入り込めないような印象があったといい、これは既にこのお話の波長をキャッチできる「臨界期」を超えてしまっていたからだということでした。
貴重な初版本なども見せていただきました1976年の50周年記年クリストファー・ロビンのサイン入り本
300冊限定のうちの229冊目ということです
ですが、「臨界期」を超えてしまい、「プー語で会話する」ほどのレベルに物語に入り込めない人でも、「クマのプーさん」の世界にすっぽりと入り込める方法があり、それが「耳から入ったプー」「誰かに読んでもらったプー」だということです。
なるほど、逆にそういった特殊さがあるからこそ、逆に世界中に広まったという部分もあるのかも知れませんね。
張替惠子さん、金城節子さんによるストーリーテリング
後半は松田先生のお話を受ける形で、張替惠子さん、金城節子さんによるストーリーテリングで「耳から入ったプー」を体験。ストーリーテリングとは、朗読とはまた別で、お話を全部覚えて語るという形式のもの。読んでもらうことで、「クマのプー」さんのシーンが頭の中に広がります。会場全体で「クマのプーさん」の機知とユーモアあふれる世界に浸りきりました。
展覧会について
世界中で愛される「クマのプーさん」は、著者A.A.ミルンと、挿絵を担当したE.H.シェパードの共作として1926年に生まれ、現在までに全世界で5000万部以上のシリーズ本が出版されています。「クマのプーさん展」では、シェパードが鉛筆で描いたプーさんの原画を世界最大規模で所蔵するロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)のコレクションを中心に、シェパードの原画をはじめ貴重な資料や写真、手紙など200点以上を展示。プーさんの誕生から世界的な広がりまでを紹介します。
- [左]A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア、ハワード・コスター撮影、1926年 © National Portrait Gallery, London.
- [右]E.H.シェパード、 ハワード・コスター撮影、1932年、ノラ・シェパード夫人より寄贈 © National Portrait Gallery, London. 参考画像
展覧会の見どころ
- V&Aによる決定版「クマのプーさん展」、待望の日本公開
- 「クマのプーさん」誕生秘話を貴重な資料で
- プーさんの冒険の名場面をぬくもりあふれる鉛筆画やペン画で
- アートとしての「クマのプーさん」
会場のようす
松岡享子先生も「大勢でわっさわっさと観るのではなくてひとつづづゆっくり読むのが良いような展覧会」と仰っていましたが、 全体的に落ち着いた雰囲気の会場です。中央のセクションはお客様も写真撮影がOKとなっていて、一般的な展覧会に比べるといわゆるフォトスポットというかフォトスペースが広くなっています。
すべて編集部にて許可を得て撮影
物販ブース

会場限定のオリジナルの瓶入りハチミツも。
展示作品の一部
展覧会は全体で5章に分かれており、プーと仲間たちの名場面の数々を原画でたどることができます。
- [左]「おふろにはいるクリスロファー・ロビン」、『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London
- [右]「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、 1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust.
- [左]「プーを穴からひっぱり出す」、『クマのプーさん』第2章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London
- [右]「おいでよ、トラー、やさしいよ」、『プー横丁にたった家』第4章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、V&A所蔵 © The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London
- [左]「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション © The Shepard Trust
- [右]『クマのプーさん』初版本、1926年; メシュエン社によりロンドンにて出版; ジャロルド&サンズ社印刷、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London
クマのプーさん展 開催概要
項目 | 内容 |
---|---|
展覧会名 | クマのプーさん展 |
会期 | 2019年2月9日(土)〜4月14日(日) |
休館日 | 2月19日(火)、3月12日(火) |
開館時間 | 10:00−18:00 毎週金・土曜日は21:00まで (入館は各閉館時間の30分前まで) |
会場 | Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横) |
展覧会公式サイト | https://wp2019.jp/ |
問い合わせ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
主催 | Bunkamura、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、 朝日新聞社、フジテレビジョン |
チケット料金
- 一般1,500円(1,300円)/大学・高校生900円(700円)/中・小学生 600円(400円)
- 親子券1,600円(1,400円) ※一般1枚+中・小学生1枚のセット。要2名同時入館
- グッズセット前売券(数量限定)2,200円 ※一般券のみ
- ※( )内は20名以上の団体料金
- ※学生は要学生証提示(小学生除く)
- ※前売券の販売は終了
展覧会公式サイト

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大阪会場について
東京での展示終了後、2019年4月27日(土)からは、あべのハルカス美術館(大阪)にて大阪展が開催されます。
- 会期 2019年4月27日(土)から6月30日(日)まで
- 会場 あべのハルカス美術館
- お問い合わせ 06-4399-9050(あべのハルカス美術館)
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- 2018年06月11日:開催決定の先行リリースを速報
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