
待望の首都圏初開催!
2019年3月2日(土)より川崎市市民ミュージアムにてマンガ家・竹宮惠子の画業50周年を記念する巡回展「竹宮惠子 カレイドスコープ 50th Anniversary」が開催されます。川崎市市民ミュージアムは1988年、日本の公立館で初めてマンガ部門を設置したミュージアムです。
退廃的な生活を送る美少年ジルベールと正義感あふれる少年セルジュ。この二人の主人公を中心に、ラコンブラード学院の寄宿舎で繰り広げられる代表作『風と木の詩』は、少年たちの同性愛、近親相姦、人種差別、虐待などのタブーに正面から取り組み、マンガ界のみならず、芸術表現の新しい扉を開きました。
『風と木の詩』『地球(テラ)へ…』『天馬の血族』などの名作を生み出し、マンガ界を革新・リードしてきたマンガ家・竹宮惠子。今までに発表したマンガは、のべ180作品、2万6,000ページにもおよびます。
1967年にマンガ雑誌「COM」に『ここのつの友情』が掲載されてから50年を記念した本展では、初公開となる『風と木の詩』の設定資料や、竹宮惠子の研究成果である精巧な複製原画「原画´(ダッシュ)」のカラーイラスト、貴重な肉筆原稿など約150点を展示し、マンガ家・竹宮惠子の足跡をたどります。
本展の3つの見どころ
『風と木の詩』連載前の設定資料を初公開!

竹宮惠子が『風と木の詩』の着想を得たのは1970年。1976年の作品発表までには、少年たちの同性愛、近親相姦、人種差別、虐待など、その衝撃的なテーマによって編集者たちに掲載を拒まれ続ける大きな苦労がありました。
今回の巡回展では、1971年には既に描き上げていた冒頭50ページのコマ割りや、作品の舞台となる19世紀末フランスの建築物や生活道具等を研究したスケッチなど、作家の7年越しの執念と熱き想いが立ち上がってくる数々の貴重な資料を初公開します。
竹宮惠子のトークショー&サイン会、劇場版『地球へ…』の上映会を開催!
会期中に竹宮惠子によるトークショーの開催が決定!画業50年の歩みを語。るほか、トークショー当日にミュージアムショップで展覧会図録を購入された方のうち先着100名限定で、サイン会を同時開催。
さらに、翌日には劇場版アニメーション『地球へ…』の上映会を行います。こちらは、今では珍しい35mmフィルムによる上映ということで、当時の雰囲気を感じられる貴重な機会となります。
竹宮惠子の研究成果である精巧な複製原画「原画´(ダッシュ)」のカラーイラストを展示!
「原画´」とは、コンピュータに漫画原稿を取り込み、綿密に色調整を重ねた上で印刷した、精巧な複製原画のことです。通常の複製原画と違い、傷や汚れ、描線の濃淡や色彩の階調など微妙な細部まで再現し、原画と並べても見分けがつかない程の精度を持っています。この研究は、退色のリスクが高い原画を保存し、広く公開することで後進を育てたいという竹宮惠子の思いにより開発されました。本展では、「原画´」の技術で製作されたカラーイラストを一堂に公開します。
展示作品紹介
展示作品の一部をご紹介します。








竹宮惠子プロフィール

徳島県徳島市出身。1967年、マンガ雑誌「COM」に投稿作品『ここのつの友情』が掲載された後、68年『リンゴの罪』が「週刊マーガレット」新人賞に佳作入選し、正月号にてプロデビュー。少年愛をテーマとした『風と木の詩』(1976~84年)は人間ドラマの傑作として、その後の少女マンガの世界に大きな影響を与えた。他に『地球へ・・・』や『天馬の血族』など、幅広いテーマの代表作多数。第9回星雲賞コミック部門、第25回小学館漫画賞、第41回日本漫画家協会賞文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。2014年には紫綬褒章を受章した。2000年より京都精華大学で教授を勤め、2014年・学長に就任。2018年に任期満了退任後、現在は京都精華大学大学院研究科教授・国際マンガ研究センター長・日本マンガ学会会長。
多彩な関連イベント
トークショー、サイン会の他、多彩な関連イベントが準備されています。
事前申し込みが必要なものもありますので、申し込み方法や開催時間等の詳細は、川崎市市民ミュージアムさまのサイトを必ずご確認下さい。
- ベビーカーツアー:3月7日(木)
- 竹宮惠子 トークショー「マンガと向き合う50年」:3月9日(土)
- 竹宮惠子 サイン会:3月9日(土)
- 劇場版アニメーション『地球へ…』上映会:3月10日(日)
- 担当学芸員によるギャラリーツアー:4月7日(日)
開催概要
項目 | 内容 |
---|---|
展覧会名 | 竹宮惠子カレイドスコープ50thAnniversary |
会期 | 2019年3月2日(土)~4月14日(日) |
休館日 | 月曜日、3月22日(金) |
開館時間 | 9:30~17:00 (入場は閉館の30分前まで) |
会場 | 川崎市市民ミュージアム企画展示室1 |
主催 | 川崎市市民ミュージアム |
協力 | 新潮社、北九州市漫画ミュージアム |
特別協力 | トランキライザープロダクト |
観覧料
- 一般800円(640円)
- 65歳以上・大高生600円(480円)
- 中学生以下無料
- ※()内は20名以上の団体料金。
- ※障害者手帳等をお持ちの方およびその介護者は無料。