[会期終了]「和のあかり×百段階段2019」会場レポ(ホテル雅叙園東京)

2019年7月4日

投稿:M3PRESS編集部

  • 取材協力:ホテル雅叙園東京さま: 記事内の写真はすべて報道向け内覧会にて編集部が撮影したものです。無断転載及び引用をすべて禁止します。
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「和のあかり×百段階段2019~こころの色彩~」累計31万人を越える夏の人気企画、5回目の開催(ホテル雅叙園東京)

報道向けの内覧会では、くまモンもPRに駆けつけました!

ホテル雅叙園東京の夏の人気企画、『和のあかり×百段階段2019』展が今年も開幕します。累計31万人を超える動員を記録している同展、5回目となる今回は『こころの色彩』をテーマに、いつか見たこころの中の原風景を、懐かしくて、新しいこころの色彩として、北は青森から南は鹿児島まで40にも及ぶ個人・団体による様々な「あかり」作品の展示を通じて表現します。会場は同館内に有する東京都指定有形文化財「百段階段」で、会期は2019年7月6日(土)から9月1日(日)まで。編集部では開幕に先立って行われた報道内覧会を取材してきました。

会場レポート

ここでは展示のごく一部をピックアップする形で紹介します。

草丘の間にサプライズ くまモン登場!

報道内覧会では、草丘の間の展示・熊本県山鹿市「山鹿灯寵浪漫・百華百彩」にちなみ、くまモンがサプライズ登場し、和傘、竜のイメージに対して雷をイメージした作品を出品しているー葉式いけ花家元 粕谷尚弘氏とツーショット。熊本では今月より「熊本デスティネーションキャンペーン」が始まります。

  • ※なお、くまモンの登場は報道内覧会の時のみで、通常はいらっしゃらないそうですのでご注意下さい。
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ー葉式いけ花家元 粕谷尚弘氏 による作品

ー葉式いけ花家元 粕谷尚弘氏による作品。和傘、竜のイメージに対して雷をイメージ。白く見えるのは、スモークツリー(けむり草)で、空中に吊ってあるため、 空調の風でゆれ、今にも雷鳴とともに竜が姿を現しそうな雰囲気。ちなみに調べてみたところ、けむり草は「シロクマ」とも呼ばれるらしく、くまモンとの対比も縁があるように思えて面白いですね。

ウェルカムねぶた(エントランスホール)

くまモン登場サプライズを先に紹介したため、順番が前後しました。螺細が施された特注のエレベーターを降りると、エントランス前は、ねぶた師北村春ー氏による「ねぶた」が!

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ウェルカムねぶた

第一回目より「漁樵の間」で展示されて来たねぶたですが、今回は最初に出会う作品=ウェルカムねぶたとして登場。迫力のある姿を記念撮影することができます。

竹のアート作品(十畝の間)

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竹あかり作家 NITTAKE氏による竹のアート作品

竹あかり作家 NITTAKE氏による竹のアート作品。「都会の中に生まれたオアシス~夏の涼しさ~」をテーマとして、背面に立つ竹は都会のビルをイメージ、その手前には軽やかなラインと、涼しげな金魚のモチーフで夏の涼を表現。向きによっても見え方の表情が変わるのも魅力です。また、環境問題である放置竹林をデザイン、アートを通じてアピール、解決しようという試みでもあります。

長崎ランタンフェスティバル(漁樵の間)

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長崎ランタンフェスティバル

長崎県長崎市による、長崎ランタンフェスティバルのランタンオブジェの展示。もともとは長崎新地中華街の人たちが中国の旧正月(春節)を祝う行事だった長崎ランタンフェスティバル。1994年に規模を拡大してから、長崎の冬の一大風物詩として全国的にその名が知られるようとなりました。15日間の期間中、街中に飾られる約1万5000個の極彩色のランタン(中国提灯)と、各会場の大小さまざまなオブジェたちが一帯を幻想的に彩り、訪れる100万超の人々の心を深く魅了します。本年の開催スケジュールは2020年1月24日(金)から2月9日(日)ということです。

「昭和の龍宮城」百段階段にちなんで、竜宮城をイメージして展示されるランタンは、漁樵の間の半分を占める大きなものですが、これでも室内に入るものを選んで搬入しています。現地の実際のランタンフェスティバルでは実に10メートルもの大きさの、ビルのような巨大のオブジェが何体も登場するそうです。「関東での知名度はこれからですが、是非、実際に現地で見て下さい。」(長崎市 文化観光部・廣田さん)

江戸職人の技と心意気(静水の間)

江戸職人の、匠の繊細な「手仕事」の魅力えを、国内はもとより世界に発信していく取り組みである「東京手仕事」プロジェクト。照明作家・弦間康仁とのコラボで、美しい工芸品が光と影のおりなす魅力を放ちます。

金属の鉱物を混ぜた紙「錆和紙(さびわし」による作品(星光の間)

静かに刻まれる時間軸のなかに、躍動と静謡が存在しているという想いで創作活動を続けているという、 伊藤咲穂氏の作品は「錆和紙(さびわし」という独自の漉き方による紙で月を表現。

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錆和紙作家・伊藤咲穂氏の作品

和のあかり展でおなじみのレジェントな作品も集結(清方の間)

柳井金魚ちょうちん祭り(山口県柳井市)のちょうちんや、今回はこけしでスイーツを表現したという、石巻のこけし作家・林 貴俊氏の作品など、同展ではおなじみの作品も登場。

  • [左]:切り絵作家・早川鉄平氏のトウメイとのコラボ作品
  • [中]:こけし作家・林 貴俊氏の作品
  • [右]: 柳井金魚ちょうちん祭り/山口県柳井市

なお「清方の間」は美人画の大家、鏑木清方が愛着をもって造った落ち着いた静かな茶室風の室。扇面形杉柾板に四季草花、欄間の四季風俗美人画ともに清方の箪によるもので、お客様によっては数時間も上を見上げて見惚れるしまう方もいらっしゃるということです。建物自体が美術品でもある百段階段ならではのエピソードですね。

どこか懐かしい九州の言葉と二度と同じものが作れないサンドアートの世界(頂上の間)

入江千春氏による、あかり絵作品。素焼きの人形と照明、博多弁を合わせた灯りのオブジェ。造形作家として公共施設等を中心に作品展「あかり絵の世界展」を各所で開催しているそうです。著書に「あそぼーう」(海鳥社)など。

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サンドアートデュオ emullenuett(エミュレヌエット)による映像作品。テーマは「ノスタルジック」。いつか見た記憶、それは自分のものであったり、親のもの祖父母のものであったり、そして自分の子供のものであったり。さまざまな記憶がサンドアートによって蘇ります。同じものは二度と作るとのできないサンドアートにより、自分の中だけにある切なくて懐かしいものを表現します。

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記者の感想など

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夕焼けや、月を見た時に感じる、切なさや懐かしい気持ち。日本人が誰もが感じるそんな懐かしくも儚い感情を、光と、そして光が作る影の織りなす微妙な味わいの作品達によって思い起こされる、いつまでもそこに居たいと感じる、そんな展覧会です。作品を「鑑賞」するのももちろんですが、百段階段の場合はこの空間自体が作品であり、ある意味、感情を持った空間なのだな、といつも思います。また、 「ウェルカムねぶた」の展示では、お客様が撮影する際に逆光にならないように、追加の照明がさりげなく設置されている、風鈴の音を演出するためのひと工夫など、 来場者を楽しんでもらうために非常に細かい所まで徹底的に作り込まれていて、さすがは旧目黒雅叙園からの伝統と感心しました。

スタッフの方に聞いた混雑回避情報

金曜日と土曜日とお盆の期間中は20時まで開館時間が延長されます。(入場は閉館の30分前まで)土曜日でも17時くらいまではかなり混雑しますが18時をすぎると一段落つくので夜の時間帯はおすすめとのことです。ちなみに最繁忙期には1日に5,500人もの来場者があるそうです。

ミュージアムショップ

毎回、いわばもう一つの展覧会ともいえる、充実で遊び心満載のミュージアムショップは、百段階段の入り口にあります。展示作家さんの作品や季節にちなんだグッズが取り揃えられており、ショップなのに企画展として成り立ってしまうような、非常に楽しいショップです。姉妹サイトの方で、スタッフの方にもお話を伺いました。

「和のあかり×百段階段2019~こころの色彩~」

  • 展覧会名:「和のあかり×百段階段2019~こころの色彩~」
  • 会場 ホテル雅叙園東京
  • 開催期間:2019年7月6日(土)~9月1日(日) ※会期中無休
  • 開催時間:日~木曜日10:00~17:00(最終入館16:30)
    金・土曜日および8月11日~18日 10:00~20:00(最終入館19:30) ※ 8月10日は17:00迄
  • ※全作品写真撮影可能(三脚・フラッシュ・商用撮影NG)
    入場料:当日 1,600円、前売 1,300円、大学生・高校生 1,200円、中学生・小学生 600円 ※要学生証呈示、未就学児無料
  • お問合せ 03-5434-3140(イベント企画10:00~18:00)

出展者一覧

  • 十畝の間:竹あかり作家/NITTAKE ※宮崎県
  • 漁樵の間:長崎ランタンフェスティバル ※長崎県
  • 草丘の間:山鹿灯籠浪漫・百華百彩 ※熊本県、和傘工房 朱夏 ※大分県、切絵師/Atelier武蒼 青木文明 ※鹿児島県、一葉式いけ花/家元 粕谷尚弘 ※東京都
  • 静水の間:
    • 【東京手仕事】 ※東京都、埼玉県 安宅漆工店、印伝矢部、岡半、三弦司きくおか、高橋工房、但野硝子加工所、寺沢ブラシ製作所、畠山七宝製作所、ミツワ硝子工芸、玻璃匠 山田硝子
    • 【えどコレ!】 ※東京都 中金硝子総合、篠原風鈴本舗
    • 【すみだマイスター】 ※東京都 かざり工芸三浦
  • 星光の間:
    • 錆和紙作家/伊藤咲穂、 照明作家/弦間康仁、 漉工房/高山しげこ、籠染灯籠 越谷 中野形染工場+ハナブサデザイン ※埼玉県、TAKEO・世界一飛龍窯灯ろう祭り ※佐賀県
    • 【えどコレ!】 ※東京都 江戸組子建松、山川建具
  • 清方の間:かんざし作家/榮、照明塾/橋田裕司、造形作家/川村忠晴、オリテラス 折り紙作家/布施知子 照明デザイナー/阿曾正彦、柳井金魚ちょうちん祭り ※山口県、こけし作家/林貴俊 ※宮城県、切り絵作家/早川鉄兵 ※滋賀県
  • 頂上の間:サンドアートデュオemullenuett(エミュレヌエット)、あかり絵/入江千春、洛中髙岡屋
  • エレベーターホール:青森県青森市「青森ねぶた祭り」 ねぶた師/北村 春一 ※青森県
  • エントランスエリア:よみがえる和 和柄行燈/福島 哲郎
  • オリジナルBGM:テルミン奏者・作曲家/ヨダタケシ、サウンドコラージュクリエーター/Jobanshi
  • カフェ&バー「結庵」: 籠染灯籠 越谷 中野形染工場+ハナブサデザイン ※埼玉県