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ゼロ戦とそのエンジン

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「二式一一五○馬力発動機」。中島飛行機が製作、二次大戦中の零戦や隼など数多くの飛行機に搭載されたエンジンである。現在、国立科学博物館(東京・上野公園)で開催中の、特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」ではこのエンジンが展示されており、間近でじっくり見ることができる。(会期は2019年3月3日(日)まで)ところで、実はカハクの常設展に「ゼロ戦」が展示されていて自由にみることができるのはご存知だろうか?特別展のチケットでそのまま常設展も入れるので、見逃す手はない。今回は「二式一一五○馬力発動機」に関連して地球館のゼロ戦の展示を紹介する。
追記
※この記事は2018年12月に公開されたものです。特別展 「日本を変えた千の技術博」 は会期終了したため 「二式一一五○馬力発動機」 はご覧になることはできませんが、 「零式艦上戦闘機」は常設展として地球館に現在も展示中です。(
二式一一五○馬力発動機
特別展「日本を変えた千の技術博」の会場で展示されている「二式一一五○馬力発動機」。1943(昭和18)年12月、中島飛行機武蔵野製作所製。海軍では「栄」という名称で零式艦上戦闘機(ゼロ戦)に搭載された。ちなみに陸軍では「ハ25」として採用された後、ハ105、ハ115等の性能向上が開発され、後に陸海軍統合名称としてハ35と呼ばれるようになったらしいので、実は「栄」にも様々なバージョンが存在している。
ゼロ戦の機体は地球館に常設されていた
地球館は国立科学博物館の北側部分にあり特別展の会場の手前が入り口。国立科学博物館の展示総合テーマ「人類と自然の共存をめざして」に基づき、最先端の科学的知見をふまえた新しい展示に2015年にリニューアル。子供から専門家まで多様な人々が先端的な科学の世界を楽しむことができる。

撮影編集部撮影
全フロアみどころ満載ではあるが、ゼロ戦は二階「科学と技術の歩み」のセクションの一番奥に展示されている。

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そしてこれが!
零式艦上戦闘機二一型改造複座機

編集部撮影
ラバウル北西のニューブリテン島ランパート岬沖約250mより1972(昭和47)年に引き上げたもの。ベースは零戦21型で偵察用として復座に改装されている。21型は開戦初期の主力機。エンジンは1150馬力ではなく940馬力のもので、「栄」12型空冷2重星型14気筒である。
落下式増槽(切り離しできる増設燃料タンク)により航続距離を飛躍的に伸ばすことが可能となった。沈頭鋲(ちんとうびょう)と呼ばれる、頭の平らな皿型リベットは空力抵抗アップに貢献。ジュラルミンを採用したボディと相まって高い機動性を有したという。
この他にも、国産初の量産型ジェットエンジン「J3ジェットエンジン」、国産自動車の先駆けとなった「オートモ号」など、「日本を変えた千の技術博」の関連展示が1フロアまるまるに展示されているので、これから行く方はぜひこちらの常設展示も合わせて見ることをおすすめしたい。
特別展「「日本を変えた千の技術博」」の開催概要
「二式一一五○馬力発動機」の他にも、あのエジソンが明治天皇に献上した蓄音機「エジソン クラスM」や高度成長期に作られた世界で初めて量産車としてロータリーエンジンを搭載したスポーツカー「コスモスポーツ」など、明治から平成に至るまでの日本の科学・技術の発祥と足跡を示す科学・技術遺産が空前の規模で集合、非常にみどころが多い展覧会でおすすめ。
※こちらの特別展は会期終了しています。

報道内覧会にて編集部撮影
項目 | 内容 |
---|---|
展覧会名 | 特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」 |
開催期間 | 2018年10月30日(火)~2019年3月3日(日) |
開館時間 | ・午前9時~午後5時 ・金曜日、土曜日は午後8時まで ※入場は各閉館時刻の30分前まで |
休館日 | ・毎週月曜日 ・12/28(金)~1/1(火・祝)、1/15(火)、2/12(火) (※12/24(月)、1/14(月)、2/11(月)、2/25(月)は開館) |
会場 | 国立科学博物館(東京・上野公園) 〒110-8718東京都台東区上野公園7-20 |
問い合わせ先 | 03-5777-8600(ハローダイヤル) FAX:03-5814-9898 |